tetsugaku poet

qinggengcai

塗装生活 116/xxx


変わらない日々も、
いつかは、必ず、変わり始める。
そのために、毎日を、繊細に慈(いつく)しむ。
静かに、慎ましく、頑(かたく)なに。

日々は、飽和を超えて、
いつかは、必ず、自らを語り始める。
堰を切って、溢れ出す。
歩いてきた道が、照らされる。

存在と時間、
それらは並立ではなく、
時間は、すでに存在であり、
存在は、すべて時間だ。

存在すなわち時間とするのなら、
積み重ねてきたすべての事実が、
その本質になる。
それで、よくないか?

そのほうが、よくないか?



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    げみ



    

    どこまでも向こうに 走って行けそう
    誰も見たことない 光の果てへ

    ―― ハードバップ/小島麻由美
    ―― 小島麻由美 作詞作曲、2003、PONY CANYON



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  1. 2021年10月09日 00:00 |
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塗装生活 115/xxx


>想起される度に、過去は変質させられる。
>リメイク、リブート、再構築、二次創作、
>過去ほど不確かなものはない。

今、起きていることなら、確かめられるし、
これから起こることなら、確かめようがある。
対して、起きてしまったことなら、

もはや、確かめようがない。
過去はどこにも保存されていない。
未来がどこにも準備されていないように。

過去は、アーカイブではなく、その都度、作られる。
過去を想起する、とは、現在の僕の理解で、
過去を再編する、ってことだ。

過去には客観性はない。
過去に客観性を求めるのは、欺瞞であり、
過去、とは、僕の、という所有格である。

現在の僕の理解を超える過去なら、
リメイクを手掛けようとする未来の僕に任せよう。
僕のしょぼくて、しょっぱい過去にも、何らかの、

意味を付与してくれるのかもしれない。



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    げみ



    

    いつか、あなたのことも 赤の他人のように
    痛みも涙もなく 想う日くるのかしら

    ―― 愛しのキッズ/小島麻由美
    ―― 小島麻由美 作詞作曲、2003、PONY CANYON



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  1. 2021年10月08日 00:00 |
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塗装生活 114/xxx


>過去は、現在の生成に、
>絶え間なく絡んでくる。
>過去は、押し流されて、沈んで、
>消えて、忘れられてしまうけれど、
>不意に浮かび上がって現在を規定する。

意図せずに、また、意識せずに、
過去が浮上することもあるけれど、
僕たちは、意図的に、意識的に、
過去を想い起こして、現在に引き寄せて、
現在において再考することもできる。

同じ過去を、再び考えても、
考えた過去は、再び同じになるはずなのに、
想起される度に、過去は変質させられる。
リメイク、リブート、再構築、二次創作、
過去ほど不確かなものはない。

まだ幼かった自分、とか、
気づけなかった自分、とか、
きれいな言い訳をしてみても、
実質は、過去の捏造、歪曲、糊塗、でっち上げである。
きっと、収まりが悪い過去は、変質させなきゃ、

時制を過去にすることができないんだ。



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    げみ



    

    港に沈む夕日がとてもきれいですね
    あなたをのせた船が 小さくなってゆく

    ―― 海岸通/やなわらば
    ―― 伊勢正三 作詞作曲、1975、PANAM



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  1. 2021年10月06日 00:00 |
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塗装生活 113/xxx


>だから、言葉に表わせないものごとを、
>なかったことにしないほうがいい。

言葉に表わせることがすべてなら、
下手に言葉を獲得することで、

言葉によって記述できないものごとが、
まったく観えなくなってしまう。

言葉をつかみ取るたびに、
世の中との結びつきが失われて行き、

言葉の量が多くなるに反比例して、
言葉を生み出さなくなってしまう。

知っていることなら、考えるには及ばないもの。



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    げみ



    

    とても好きだけど お別れよサヨウナラ
    鳥のさえずりに 送られて出てゆこう

    ―― ろくでなし/小島麻由美
    ―― Salvatore Adamo 作詞作曲、岩谷時子 訳詞、1964、PONY CANYON



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  1. 2021年10月05日 00:00 |
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塗装生活 112/xxx


>そして、もし“国民性”というような
>危険きわまりない語句を
>自分勝手な意味にしか使えないジャーナリスト程度の良心くらいしか、
>哲学が君に与えるものがないとしたら、

>―― ウィトゲンシュタイン/ノーマン・マルコム 著
―― 板坂元 訳、1998、平凡社



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    げみ



日本人は、なんてもの言いがある。
日本人は、優しいとか、優しくないとか。
日本は、なんて大風呂敷で包んだりする。
日本には、哲学がないとか。

優しさ、なんてものに駆動された感情は、
誰かにとっては、一日に何度も湧き起こり、
誰かにとっては、その感覚さえも分からない。
感じる人は感じるし、感じない人は感じない。

自らの身体に根差した、としか言いようがないもので、
感じない人が感じない感覚を、
拾い上げて感じるのが、感じるという感覚だ。
国民の優しさの総量なんて、僕には計測できないけれど。



    

    ―― 皆殺しのブルース/小島麻由美
    ―― 小島麻由美 作曲、1995、PONY CANYON



誰かにとっては、その感覚さえも分からない。
感じる人は感じるし、感じない人は感じない。
自らの身体に根差した、としか言いようがないものに、
足を取られて立ち止まる人が、きっといるのだろう。

自分とは違う言葉づかいで、
自分には共有できない感覚で、
しかし、それが当然のように、
生活している人が、どこかにいるのだろう。

自分には少しも見つからない哲学を持ち寄って。



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  1. 2021年10月04日 00:00 |
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塗装生活 111/xxx


>塗料の盛り研ぎ。
>アルコールで拭いて、
>ホルツのカラータッチを盛る。
>Z7T、パールホワイト。
>10か所くらい。

つまらないこと、に違いない。
少しも学問的ではなく、
とりわけ、哲学なんて学際は欠片もない。
でも、そこに哲学がなければ、
どこにあるのだろう。

僕の身の周りになければ、
どこかで、誰かが、
難しいことを言い合っていても、
僕に何の関係があるのだろう。
すぐそこにでも見つかるものでなければ、

どこで見つけるのだろう。



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    げみ



    哲学を勉強することは何の役に立つのだろう。
    もし論理学の深遠な問題などについて、
    もっともらしい理屈がこねられるようになるだけしか
    哲学が君の役に立たないのなら、
    また、もし哲学が日常生活の重要問題について
    君の考える力を進歩させないのなら、
    そして、もし“国民性”というような
    危険きわまりない語句を
    自分勝手な意味にしか使えないジャーナリスト程度の良心くらいしか、
    哲学が君に与えるものがないとしたら、
    哲学を勉強するなんて無意味じゃないか。
    御存知のように、“確実性”とか
    “蓋然性”とか“認識”などについて、
    ちゃんと考えることは難しいことだと思う。
    けれども、君の生活について、また他人の生活について、
    真面目に考えること、考えようと努力することは、
    できないことではないとしても、
    哲学よりも、ずっとむずかしいことなんだ。
    その上、こまったことに、俗世間のことを考えるのは、
    学問的にははりあいのないことだし、
    どっちかというと、まったくつまらないことが多い。
    けれども、そのつまらない時が、
    実は、もっとも大切なことを考えている時なんだ。

    ―― ウィトゲンシュタイン/ノーマン・マルコム 著
    ―― 板坂元 訳、1998、平凡社



    

    平日だけど はれ着をきたのよ 人形だいて 日暮れに帰ったワ
    おかみさん達は 白い目でにらんだ まるでこの私を ドロボーみたいに

    ―― ろくでなし/小島麻由美
    ―― Salvatore Adamo 作詞作曲、岩谷時子 訳詞、1964、PONY CANYON



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  1. 2021年10月03日 00:00 |
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塗装生活 110/xxx


>塗料の盛り研ぎ。
>アルコールで拭いて、
>ホルツのカラータッチを盛る。
>Z7T、パールホワイト。
>10か所くらい。



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子どもの頃から、何につけ、
こんなことをしてきた。
過去に何をしたのか、ってのは、
現在、何をするのか、
未来に何ができるのかに関わってくる。

過去は、現在の生成に、
絶え間なく絡んでくる。
過去は、押し流されて、沈んで、
消えて、忘れられてしまうけれど、
不意に浮かび上がって現在を規定する。

何かを作るときには、
未来の自分に任せておけば、
どれくらいの出来栄えが期待できるのか、
並みの出来では満足しないのなら、
どれくらい努力させればいいのか、

不意に浮かび上がって未来を規定する。



    

    いつかきっと笑って話せる日が
    来るなんて本当かな

    ―― 金木犀の夜/きのこ帝国
    ―― 佐藤千亜妃 作詞作曲、2018、Universal Music Japan



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  1. 2021年10月02日 00:00 |
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塗装生活 109/xxx


塗料の盛り研ぎ。
アルコールで拭いて、
ホルツのカラータッチを盛る。
Z7T、パールホワイト。
10か所くらい。

今頃になって、タッチアップ。
遊んでばかりで、
出掛けてばかりで、
一向に作業が進まないけれど、
もちろん、そのほうが好ましい。

所要時間は、1時間。



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    あの日のことは 忘れてね 幼すぎて 知らなかった
    恥ずかしくて 消えたいけど もう大丈夫 旅路は続く

    ―― 旅路/藤井風
    ―― 藤井風 作詞作曲、2021、UNIVERSAL SIGMA



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  1. 2021年10月01日 00:00 |
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塗装生活 108/xxx


きれいにしてもいいし、
汚いままでもいい。

ボロい中古車をきれいにしても、
今さら、たかが知れている。

とりわけ、価値が上がるわけでもなく、
他人から観れば、走行53,000kmの軽、

いつまで走れるのかも分からないもの。



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    げみ



幸せにしてもいいし、
不幸せのままでもいい。

いつまで生きれるのかも分からないもの。



    

    お屋根のてっぺんで 小猫みたいにね
    あの子とふたりで 月を見ていたら ねェ 恋をしちゃった

    ―― 月影のナポリ/ザ・ピーナッツ
    ―― F.Migliacci 作詞、千家春 訳詞、B.De Filippie 作曲、1960、KING RECORDS



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  1. 2021年09月29日 00:00 |
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塗装生活 107/xxx


クルマが汚い、そう認識したときに、
欲求が生まれる、目的が生まれる。
それは、クルマをきれいにしようと試みること、
或いは、きれいにしないで済ませること。

汚いと思うのなら、きれいにすればいい。
僕には、そのほうが、目的までの距離が近い。
というか、ほかに方法がないように思えるし、
なにより、単純に、汚いのなら、きれいにしたい。

僕の身体は、目的を適えるのに都合がいい。
つまり、僕は、便利な方法として機能する。
便利とは、手段に関する概念であり、
僕は、目的を適える手段として機能する。

目的と手段は、目的が手段に依存し、
かつ、手段が目的に依存する関係にある。
クルマをきれいにする目的の価値は、
クルマをきれいにできる僕に依存し、

クルマをきれいにできる僕の価値は、
クルマをきれいにする目的に依存する。



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    げみ



きれいにしないで済ませることは、
僕には、目的までの距離が遠い。
良い目的とは思えないし、
僕は、目的を適える手段として機能しない。

>クルマなら、そんなのはなんにもならない、
>無策な方法だ、ってことが分かるけれど。
例えば、自分が幸せではない、そう認識したときに、
欲求が生まれる、目的が生まれる。

それは、自分を幸せにしようと試みること、
或いは、幸せにしないで済ませること。



    

    誰かの不機嫌も 寝静まる夜さ
    バイパスの澄んだ空気と 僕の町

    ―― エイリアンズ/秦基博
    ―― 堀込泰行 作詞作曲、2000、Warner Music Japan



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  1. 2021年09月28日 00:00 |
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