変わらない日々も、
いつかは、必ず、変わり始める。
そのために、毎日を、繊細に慈(いつく)しむ。
静かに、慎ましく、頑(かたく)なに。
日々は、飽和を超えて、
いつかは、必ず、自らを語り始める。
堰を切って、溢れ出す。
歩いてきた道が、照らされる。
存在と時間、
それらは並立ではなく、
時間は、すでに存在であり、
存在は、すべて時間だ。
存在すなわち時間とするのなら、
積み重ねてきたすべての事実が、
その本質になる。
それで、よくないか?
そのほうが、よくないか?

げみ
どこまでも向こうに 走って行けそう
誰も見たことない 光の果てへ
―― ハードバップ/小島麻由美
―― 小島麻由美 作詞作曲、2003、PONY CANYON
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- 2021年10月09日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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>想起される度に、過去は変質させられる。
>リメイク、リブート、再構築、二次創作、
>過去ほど不確かなものはない。
今、起きていることなら、確かめられるし、
これから起こることなら、確かめようがある。
対して、起きてしまったことなら、
もはや、確かめようがない。
過去はどこにも保存されていない。
未来がどこにも準備されていないように。
過去は、アーカイブではなく、その都度、作られる。
過去を想起する、とは、現在の僕の理解で、
過去を再編する、ってことだ。
過去には客観性はない。
過去に客観性を求めるのは、欺瞞であり、
過去、とは、僕の、という所有格である。
現在の僕の理解を超える過去なら、
リメイクを手掛けようとする未来の僕に任せよう。
僕のしょぼくて、しょっぱい過去にも、何らかの、
意味を付与してくれるのかもしれない。

げみ
いつか、あなたのことも 赤の他人のように
痛みも涙もなく 想う日くるのかしら
―― 愛しのキッズ/小島麻由美
―― 小島麻由美 作詞作曲、2003、PONY CANYON
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- 2021年10月08日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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>過去は、現在の生成に、
>絶え間なく絡んでくる。
>過去は、押し流されて、沈んで、
>消えて、忘れられてしまうけれど、
>不意に浮かび上がって現在を規定する。
意図せずに、また、意識せずに、
過去が浮上することもあるけれど、
僕たちは、意図的に、意識的に、
過去を想い起こして、現在に引き寄せて、
現在において再考することもできる。
同じ過去を、再び考えても、
考えた過去は、再び同じになるはずなのに、
想起される度に、過去は変質させられる。
リメイク、リブート、再構築、二次創作、
過去ほど不確かなものはない。
まだ幼かった自分、とか、
気づけなかった自分、とか、
きれいな言い訳をしてみても、
実質は、過去の捏造、歪曲、糊塗、でっち上げである。
きっと、収まりが悪い過去は、変質させなきゃ、
時制を過去にすることができないんだ。

げみ
港に沈む夕日がとてもきれいですね
あなたをのせた船が 小さくなってゆく
―― 海岸通/やなわらば
―― 伊勢正三 作詞作曲、1975、PANAM
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- 2021年10月06日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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>だから、言葉に表わせないものごとを、
>なかったことにしないほうがいい。
言葉に表わせることがすべてなら、
下手に言葉を獲得することで、
言葉によって記述できないものごとが、
まったく観えなくなってしまう。
言葉をつかみ取るたびに、
世の中との結びつきが失われて行き、
言葉の量が多くなるに反比例して、
言葉を生み出さなくなってしまう。
知っていることなら、考えるには及ばないもの。

げみ
とても好きだけど お別れよサヨウナラ
鳥のさえずりに 送られて出てゆこう
―― ろくでなし/小島麻由美
―― Salvatore Adamo 作詞作曲、岩谷時子 訳詞、1964、PONY CANYON
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- 2021年10月05日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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>そして、もし“国民性”というような
>危険きわまりない語句を
>自分勝手な意味にしか使えないジャーナリスト程度の良心くらいしか、
>哲学が君に与えるものがないとしたら、
>―― ウィトゲンシュタイン/ノーマン・マルコム 著
>―― 板坂元 訳、1998、平凡社

げみ
日本人は、なんてもの言いがある。
日本人は、優しいとか、優しくないとか。
日本は、なんて大風呂敷で包んだりする。
日本には、哲学がないとか。
優しさ、なんてものに駆動された感情は、
誰かにとっては、一日に何度も湧き起こり、
誰かにとっては、その感覚さえも分からない。
感じる人は感じるし、感じない人は感じない。
自らの身体に根差した、としか言いようがないもので、
感じない人が感じない感覚を、
拾い上げて感じるのが、感じるという感覚だ。
国民の優しさの総量なんて、僕には計測できないけれど。
―― 皆殺しのブルース/小島麻由美
―― 小島麻由美 作曲、1995、PONY CANYON
誰かにとっては、その感覚さえも分からない。
感じる人は感じるし、感じない人は感じない。
自らの身体に根差した、としか言いようがないものに、
足を取られて立ち止まる人が、きっといるのだろう。
自分とは違う言葉づかいで、
自分には共有できない感覚で、
しかし、それが当然のように、
生活している人が、どこかにいるのだろう。
自分には少しも見つからない哲学を持ち寄って。
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- 2021年10月04日 00:00 |
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>塗料の盛り研ぎ。
>アルコールで拭いて、
>ホルツのカラータッチを盛る。
>Z7T、パールホワイト。
>10か所くらい。
つまらないこと、に違いない。
少しも学問的ではなく、
とりわけ、哲学なんて学際は欠片もない。
でも、そこに哲学がなければ、
どこにあるのだろう。
僕の身の周りになければ、
どこかで、誰かが、
難しいことを言い合っていても、
僕に何の関係があるのだろう。
すぐそこにでも見つかるものでなければ、
どこで見つけるのだろう。

げみ
哲学を勉強することは何の役に立つのだろう。
もし論理学の深遠な問題などについて、
もっともらしい理屈がこねられるようになるだけしか
哲学が君の役に立たないのなら、
また、もし哲学が日常生活の重要問題について
君の考える力を進歩させないのなら、
そして、もし“国民性”というような
危険きわまりない語句を
自分勝手な意味にしか使えないジャーナリスト程度の良心くらいしか、
哲学が君に与えるものがないとしたら、
哲学を勉強するなんて無意味じゃないか。
御存知のように、“確実性”とか
“蓋然性”とか“認識”などについて、
ちゃんと考えることは難しいことだと思う。
けれども、君の生活について、また他人の生活について、
真面目に考えること、考えようと努力することは、
できないことではないとしても、
哲学よりも、ずっとむずかしいことなんだ。
その上、こまったことに、俗世間のことを考えるのは、
学問的にははりあいのないことだし、
どっちかというと、まったくつまらないことが多い。
けれども、そのつまらない時が、
実は、もっとも大切なことを考えている時なんだ。
―― ウィトゲンシュタイン/ノーマン・マルコム 著
―― 板坂元 訳、1998、平凡社
平日だけど はれ着をきたのよ 人形だいて 日暮れに帰ったワ
おかみさん達は 白い目でにらんだ まるでこの私を ドロボーみたいに
―― ろくでなし/小島麻由美
―― Salvatore Adamo 作詞作曲、岩谷時子 訳詞、1964、PONY CANYON
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- 2021年10月03日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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>塗料の盛り研ぎ。
>アルコールで拭いて、
>ホルツのカラータッチを盛る。
>Z7T、パールホワイト。
>10か所くらい。

子どもの頃から、何につけ、
こんなことをしてきた。
過去に何をしたのか、ってのは、
現在、何をするのか、
未来に何ができるのかに関わってくる。
過去は、現在の生成に、
絶え間なく絡んでくる。
過去は、押し流されて、沈んで、
消えて、忘れられてしまうけれど、
不意に浮かび上がって現在を規定する。
何かを作るときには、
未来の自分に任せておけば、
どれくらいの出来栄えが期待できるのか、
並みの出来では満足しないのなら、
どれくらい努力させればいいのか、
不意に浮かび上がって未来を規定する。
いつかきっと笑って話せる日が
来るなんて本当かな
―― 金木犀の夜/きのこ帝国
―― 佐藤千亜妃 作詞作曲、2018、Universal Music Japan
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- 2021年10月02日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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きれいにしてもいいし、
汚いままでもいい。
ボロい中古車をきれいにしても、
今さら、たかが知れている。
とりわけ、価値が上がるわけでもなく、
他人から観れば、走行53,000kmの軽、
いつまで走れるのかも分からないもの。

げみ
幸せにしてもいいし、
不幸せのままでもいい。
いつまで生きれるのかも分からないもの。
お屋根のてっぺんで 小猫みたいにね
あの子とふたりで 月を見ていたら ねェ 恋をしちゃった
―― 月影のナポリ/ザ・ピーナッツ
―― F.Migliacci 作詞、千家春 訳詞、B.De Filippie 作曲、1960、KING RECORDS
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- 2021年09月29日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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クルマが汚い、そう認識したときに、
欲求が生まれる、目的が生まれる。
それは、クルマをきれいにしようと試みること、
或いは、きれいにしないで済ませること。
汚いと思うのなら、きれいにすればいい。
僕には、そのほうが、目的までの距離が近い。
というか、ほかに方法がないように思えるし、
なにより、単純に、汚いのなら、きれいにしたい。
僕の身体は、目的を適えるのに都合がいい。
つまり、僕は、便利な方法として機能する。
便利とは、手段に関する概念であり、
僕は、目的を適える手段として機能する。
目的と手段は、目的が手段に依存し、
かつ、手段が目的に依存する関係にある。
クルマをきれいにする目的の価値は、
クルマをきれいにできる僕に依存し、
クルマをきれいにできる僕の価値は、
クルマをきれいにする目的に依存する。

げみ
きれいにしないで済ませることは、
僕には、目的までの距離が遠い。
良い目的とは思えないし、
僕は、目的を適える手段として機能しない。
>クルマなら、そんなのはなんにもならない、
>無策な方法だ、ってことが分かるけれど。
例えば、自分が幸せではない、そう認識したときに、
欲求が生まれる、目的が生まれる。
それは、自分を幸せにしようと試みること、
或いは、幸せにしないで済ませること。
誰かの不機嫌も 寝静まる夜さ
バイパスの澄んだ空気と 僕の町
―― エイリアンズ/秦基博
―― 堀込泰行 作詞作曲、2000、Warner Music Japan
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- 2021年09月28日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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