心がきれいならば、外見もきれい。
たぶん、言いたいことは、逆と、対偶。
逆は、
外見がきれいならば、心もきれい。
裏は、
心がきれいでなければ、外見もきれいではない。
対偶は、
外見がきれいでなければ、心もきれいではない。
どこまでも勝ち組でありたいと、
心のきれいさまでも獲得しようとする心は、
なんて意地汚いのだろう。
土砂降りの痛みのなかを
傘もささず走っていく
いやらしさも汚らしさも
むきだしにして走ってく
―― TRAIN-TRAIN/THE BLUE HEARTS
―― 作詞、作曲、真島昌利、
―― 1988、メルダック、徳間ジャパンコミュニケーションズ
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- 2017年09月30日 19:03 |
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あなたのこころが
きれいだから
なんでもきれいに
見えるんだなあ
―― みつを
僕は心が汚いから、
きれいな見かけのものごとも、
汚く見えてくる。
「かちかち山」の愉快な噺は、
言い訳をしながら、
婆さんを食ったとしか思えない。
「笠地蔵」の爺さんの善行は、
7人の旅人に対する、
強盗殺人の贖罪に思えてしまう。
なんでも汚れて見えるんだ。

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- 2017年09月30日 12:06 |
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穴を掘っている場合ではない。
莫近国王大臣、
如浄(にょじょう)は、たいしたことは、
言っていない。
別れの挨拶みたいなもの。
よくあるフレーズを、
使い回しているだけ。
定型句、テンプレート。
如浄の台詞には、本質がない。
空気を揺らせただけ。
悟った者どうしの会話なら、
それくらいの了解はあるだろう。
本質は空(あ)いている。
本質は穴っぽこ。
正しいとか、間違っているとか、
そんなのでは埋まらない。
僕たちには、空いた穴に、
言葉を投げ入れて、
本質を埋める自由がある。
僕は、何を投げるのか。
きっと、玄明(げんみょう)を殴り殺して、
穴に投げ入れたのだろう。
見えない自由がほしくて
見えない銃を撃ちまくる
本当の声を聞かせておくれよ
―― TRAIN-TRAIN/THE BLUE HEARTS
―― 作詞、作曲、真島昌利、
―― 1988、メルダック、徳間ジャパンコミュニケーションズ
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- 2017年09月28日 12:08 |
- 色即是空
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「空」は、トイレ掃除も、
パチンコも、恋愛も、
エッチも除外しない。
一切だから、不寛容も、
潔癖症も除外しない。
身の周りが「空」で、
どこに行っても、
そこは僕の身の周りになる。
そこが、城邑聚落でも、
あるいは、深山幽谷でも。
静かに座っていなくてもいい。
そんなのは、落ち着きのない僕の、
日常ではないもの。
だから、床板を剥がしてもいいし、
穴を掘っていてもいいと思う。
結局は、何でもいいんだ。
でも、好き嫌いをいえば、
僕は、小さい男はいやなんだ。
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- 2017年09月26日 21:12 |
- 色即是空
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道元は、乗り気がしない鎌倉での教化を終えて、
越前に帰ってきた。
北条時頼は寄進を申し出てきたが、
道元はそれを断った。
道元は、師匠である如浄(にょじょう)の教えを守る。
国王大臣には近づくな。
帰国布化、広利人天、
莫住城邑聚落、
莫近国王大臣、
只居深山幽谷、
接得一箇半箇、
勿令吾宗致断絶。
道元の弟子の玄明(げんみょう)は、
如浄の教えなんか知らない。
時頼からの越前の土地の寄進状を、
ドヤ顔で持ち帰ってきた。
寄進は時頼の好意であり、
玄明はそれを喜んで触れ回った。
道元は怒って、玄明を追放した。
喜悦の心が汚い、という理由で。
その際、玄明が坐禅をしていた禅床の、
床板を切り取って、
一説には、さらに、床下の土まで、
掘り捨てること7尺に及ぶ。
そんな行動には、
僕は、選好を示してもいいだろう。
フローリングを剥がして、
その下の土も2mほど掘って捨てる。
異常に不寛容なのか、
病的に潔癖なのか。
怒りを抑えることができずに、
感情に任せた過剰な報復か、
潔癖へのこだわりが強くてキレたか、
前代未聞の小さい男だ。
悟った人のふるまいなど、
僕には理解できないけれど、
そこまでするか。
弱い者達が夕暮れ
さらに弱い者をたたく
その音が響きわたれば
ブルースは加速していく
―― TRAIN-TRAIN/THE BLUE HEARTS
―― 作詞、作曲、真島昌利、
―― 1988、メルダック、徳間ジャパンコミュニケーションズ
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- 2017年09月26日 12:31 |
- 色即是空
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師帰越前後(しゑちぜんにかへりてのち)、
最明寺殿(さいみやうじどの)、
願心(ぐわんしん)を遂(とげ)んが為(ため)に、
越前国(ゑちぜんのくに)六條堡(ろくでうのとりで)、
二千石(にせんごく)の所(ところ)を、
永平寺(えいへいじ)の領(りやう)に寄進(きしん)ありけれども、
師(し)ついに受(うけ)られず。
玄明首座(げんみやうしゆそ)と申(まをす)僧(そう)、
この寄進状(きしんじやう)を将(もつ)て、使(つか)ひせられしなり。
彼堡(かのとりで)御寄進(ごきしん)を歓喜(くわんき)して、
衆中(しゆちう)に触(ふ)れありき玉(たま)ふを師(し)聞玉(きゝたま)ひて、
この喜悦(きえつ)の意(こゝろ)、きたなしとて、
すなわち寺院(じゐん)を擯出(ひんしゆつ)し、
玄明(げんみやう)の坐禅(ざぜん)の床(とこ)までも、
截取(きりと)りたりと云伝(いひつた)ふ。
前代未聞(ぜんだいみもん)の事(こと)なり。
―― 建撕記(けんぜいき)
―― 訂補建撕記圖會(てん(ママ)ほけんせ(ママ)いきづゑ)/鷲尾順敬 校訂、
―― 1931、東方書院
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- 2017年09月26日 12:27 |
- 色即是空
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「空(くう)って何だ?」
答は、実体がない。
「色即是空って何だ?」
答は、あらゆるものには、実体がない。
釈迦の挑発的なテーゼ、上等だ。
実体がなくても結構だ。
実体がないのなら、
実体を与えてやれ。
僕たちがいなければ、色(いろ)はない。
光が反射しているだけ。
それでまったく構わない。
色なら、光を見る僕たちが色にする。
僕たちがいなければ、音はない。
空気が揺れているだけ。
それでぜんぜん構わない。
音なら、振動を聞く僕たちが音にする。
世界は、僕たちと出会って、
色になる、音になる。
形づけてやれ、色づけてやれ、
メロディにしてやれ、リズムにしてやれ。
花は、僕たちがいるから、
花になれる。
月は、僕たちがいるから、
月でいられる。
花を見てやれ、
月を見てやれ。
花に鳴く鶯、
水に棲む蛙、
生きとし生けるものの、
歌を聞け。
雨に打たれろ、
星を見上げろ、
太陽を浴びろ、
風に吹かれろ。
抱きしめて、
キスをしろ。
色即是空が本当で、
僕たちが観ている世界が夢や幻でも、
僕は、夢や幻を生きてやる。
僕は、本当の世界など、
知りたくもないんだ。
世界中に定められた
どんな記念日なんかより
あなたが生きている今日は
どんなにすばらしいだろう
世界中に建てられてる
どんな記念碑なんかより
あなたが生きている今日は
どんなに意味があるだろう
―― TRAIN-TRAIN/THE BLUE HEARTS
―― 作詞、作曲、真島昌利、
―― 1988、メルダック、徳間ジャパンコミュニケーションズ
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- 2017年09月23日 12:24 |
- 色即是空
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釈迦の考えたことなんか無理。
正法(しょうぼう)なんか無理。
紀元前の人が考えたことを、
僕が考えるなんて傲慢すぎる。
生まれたときから、
テレビを観ていた末法の僕が、
過去のすべてを、
括弧に入れて忘れても、
忘れたふりにも、
ならないだろう。
釈迦は、未来の人たちが、
自分と同じ状況を生きるなどと、
思い込めるほど愚かではない。
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- 2017年09月22日 22:41 |
- 色即是空
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ありのまま、とか、
ありがとう、とか、
おかげさま、とか、
誰も真に受けていないと思うけれど、
信じていないわりには、
みんなで大切にしているような。
実は、誰も信じていないような。
上辺の心地よい価値観を、
嘘だと分かって信じているのは、
信じているみんながいるからで、
みんなが信じていると、
みんなで思っているからで。
信じる理由がないにも関わらず、
義理堅く守ることが命題になっているような、
同じ公式に当てはめれば、
何にだって置き換え可能なような、
あえて誰かが言わなくても、
誰にだって同じ話が繰り返せるような。
そんなふうに、何にでも、誰にでも、
置換可能なものに共感しても、
何が分かり合えるのだろう。
僕たちが共に抱いているものが、
僕たちをつなげているものが、
まるで流行りの歌みたいに、
軽くて、薄っぺらなんだ。
実を言うと この街の奴らは義理堅い
ただガタイの良さには 騙されるんじゃない
お前と一緒で 皆弱っている
―― 琥珀色の街、上海蟹の朝/くるり
―― 作詞、作曲、岸田繁、
―― 2016、SPEEDSTAR RECORDS
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- 2017年09月21日 20:04 |
- 色即是空
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ありのまま、とか、
ありがとう、とか、
おかげさま、とか、
そんなパターンに落とし込む。
そのパターンを「空」と呼ばないで、
何が「空」だろう。
誰からも反論されないような、
心地よいフレーズで丸め込む。
そこには妥当性を基礎づけるような、
どんな論理も要請されない。
自分の考えを正当化する必要もなく、
自分の考えを押しつけることができる。
そんな出来上がった形式が、
即ち、「空」ではないのか。
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- 2017年09月21日 20:02 |
- 色即是空
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