渋滞の先では、
3台の事故車が、
車線を塞いでいる。
僕がそれを知るのは、
1時間も後のこと。
冬空の下で、
埋めつくされる車道。
車道の上空は、
いつだって、
途方もない余白。
―― 流れ星/スピッツ
―― 作詞、作曲、草野正宗、1999、ポリドール

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- 2017年12月28日 02:12 |
- ラパン/ミニ
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優しさ、なんてものは、
表現しなければ、
まだ優しさではない。
いい気分になっているだけ。
優しさは、体現しなきゃ。
―― ロビンソン/スピッツ
―― 作詞、作曲、草野正宗、1995、ポリドール

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- 2017年12月27日 23:01 |
- ラパン/ミニ
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真理、だって。
愛、だって。
笑ってしまう。
それは、税込1,728円の文庫本を、
たいした戸惑いもなく、
買ってしまえる人の真理である。
目立たない真理の尊重、だって。
それは、ニーチェを読めてしまえる人の、
目立たない真理の尊重である。
自分がくだらなくて、
小さく感じられる、だって。
それは、偉そうにしてしまえる人の気まぐれ、
思い上がった不遜である。

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- 2017年12月18日 21:54 |
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真理、なんて言うと、
たいそうで、気が引けるから、
できれば使いたくない言葉だけれど、
それでも、真理は大切で、
例えば、愛、なんてのも、
小恥ずかしいから言わないし、
できれば使いたくない言葉だけれど、
それでも、愛は大切で、
そして、気後れする感じも大切だと思っている。
真理も、愛も、それらの成分は、
分かったふりができない、
ってことを含んでいる。
よく分からないのなら、
自分に分かったふりをさせない。
そんな誠実さが、
あらかじめ織り込まれている。
自信がある人は、
分かったふりが上手いだけ。
よくあるフレーズを使い回しているだけ。
知識を丸暗記しているだけ。
自分の想いなら、いつも、
ぎこちなくて、つっかえながら、
恐る恐る差し出される。
自分の想いは、いつも、
自分がくだらなくて、
小さく感じられることと引き換えだから。
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- 2017年12月17日 19:41 |
- 自分らしさ
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神、愛、自由、平等、解放、進歩、
そんな大きくて立派な物語は、
もう誰も信じてはいない。
しかし、それゆえ、こんなにくだらなくて、
小さくて馬鹿な僕の周りに、
見つけられるのを待っている真理がある、
かもしれない。

目立たない真理の尊重。
―― 厳密な方法でみいだされた小さい目立たない真理を、
形而上学的・芸術的な時代や人間に由来するような、
たのしげなまばゆい誤謬よりも高く評価するということは、
高級文化の目じるしである。
さしあたり人は、前者のような真理に対して、
こんなところには同権のものなど対抗しているはずがないとでもいうように、
唇に嘲笑をうかべる、
それほどこの真理はつつましく、素朴で、ひややかで、
それどころかちょっとみると
がっかりさせるようなぐあいに立っているっているし、
あの誤謬はうるわしく、はでやかに、酔わせるように、
それどころかおそらくは
うっとりさせるようなぐあいに立っている。
―― 人間的、あまりに人間的/フリードリッヒ・ニーチェ、
―― 池尾健一 訳、1994、ちくま学芸文庫
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- 2017年12月16日 22:24 |
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その映画を観れば、
その音楽を聴けば、
その小説を読めば、
それを食べれば、
それを飲めば、
そこに行けば、
それをすれば、
こんなふうに感動する、
それを求めて、僕たちは、
観たり聴いたり読んだりするけれど。
自分のなかにある意味に、
収まりきれないことが、
感動の要素だとすれば、
予定通りの感動は、最初から、
その要素を欠いている。
感じたかったことは、
自分が持っている意味から、
はみ出してしまう驚きなのに、
同じような人たちの一員になって、
分別くさく収まりをつける。
ありふれた知識を、
先に仕入れると、経験は、
ありふれた経験になってしまう。
まだ言葉を与えられていないはずの、
心の内が、感動からは最も遠いような、
ありふれた言葉に置き換えられる。
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- 2017年12月16日 12:36 |
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知識の量に比例して、
考えごとは増えるのか、
それとも、反比例して減るのか。
知っていることなら、
さらに知るには及ばないから、
もう、考える必要はないけれど。
知識が増えて、もの知りになっても、
考えない知識なら、
どれほどの役に立つのだろう。
自分の視点を固定させるか、
思い上がるか、優越感を持つか、
ひけらかしていい気分になるか、
そんな役には立つけれど。
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- 2017年12月12日 22:02 |
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僕の考えごとを写し取るのは、
中学生にでも読めそうな平易な文章で、
だから、きっと、僕は、
難しいことなど、
考えていないのだろう。
いくら読んでも、読み手は、
何の知識も得られない。
だから、きっと、僕は、
取り立てて、何の知識も、
持ち合わせていないのだろう。
つまりは、たぶん、
僕が何かを考えるためには、
知識は必要とされない、ってことだ。
僕たちは、忙しいから、
何のために知識を得るのか、
それが明確にされないときには、
知識を得ようとしない。
役に立たない知識は軽視される。
つまり、知識を得る前に、あらかじめ、
その知識の有益性が決められている。
というよりも、むしろ、逆に、
世の中に流通している知識は、
それだけで役に立つと認められている。
つまりは、たぶん、
僕が何も考えないためには、
知識が必要とされる、ってことだ。
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- 2017年12月11日 19:14 |
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ぜんぜん立派でもなくて、
どこにでもいるような、
誰かをがっかりさせてばかりの自分なら、
僕の周りの、くだらないものごと、
役に立たないあれこれ、
取るに足らない出来事、
僕は、そこから何かを、
見つけるよりほかはない。
くだらなくても、役に立たなくても。
自転車のハンドルを握る指先や、
ボタンが取れたままのコートに、
僕は、僕の寒さを感じて、
夕陽に縁取られる電柱や、
珍しくもないオリオン座に、
僕は、僕の景色を見る。
僕の身の周りには、
立派なものなど隠されてはいないけれど、
このくだらなさからは離れない。
それを置き去りにすれば嘘になる。
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- 2017年12月10日 12:43 |
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読んでも自慢にもならない小説とか、
話題になることもない哲学とか、
すぐに廃(すた)れる流行りの歌とか、
硬くてしつこいバタークリームのケーキとか、
面倒くさいカセットデッキとか、
ずっと止まったままの腕時計とか、
優れているところが何もないクルマとか、
小さくて馬鹿な自分とか、
そんな自分の考えごととか、
役に立たないものごとを、
成り立たせているあれこれを、
くだらない、と言ってもいいし、
もっと上等に言い換えてもいい。
真実の、とか、無償の、とか、
見返りを求めない、とか、
よくある枕詞をくっつけて。

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- 2017年12月09日 20:24 |
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