個人の暴力を封じて、
それを国が理性的に行使する。
暴力は感情によらずに、
論理に依拠させられる。
税金の使われ方が気になる人は、
暴力の使われ方も気にしたほうがいい。
僕たちの大切な税金、と言う人なら、
僕たちの大切な暴力、と言ってもいい。
所得が再分配されるように、
暴力も再分配されている。
ただし、再分配された暴力を行使するのは、
感情を持った個人だ。
戦争をするのは国なのだろう。
でも、戦場にいるのは個人だ。
絶え間なく戦争をしている米軍だから、
軍人は何度も戦場に送られる。
個人は暴力に耐えられない。
他人から自分に対する暴力はもちろん、
自分から他人に対する暴力も。
アメリカでは、毎日20人、
年間7,300人の兵役経験者が、
自殺している。
あなたはすぐに絶対などと云う
あたしは何時も其れを厭がるの
―― ギブス/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2000、東芝EMI
https://www.reuters.com/article/us-usa-veterans-suicides-idUSKCN10E2RN
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- 2018年05月29日 21:12 |
- 馬鹿
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暴力は、自分にも向かう。
他人の生命は軽く扱って、
自分の生命は大切にする、
そんなふうに自己中になれたらいいけれど
僕たちはそんなに都合よくできていない。
アメリカでは自殺者が増え続けているが、
銃によるものがその半数近くを占める。
銃の所有率が高い州では、自殺率も高い。
暴力を保有し、携帯する人たちにとって、
生命の価値は軽いんだ。
それは、他人に対しても、
そして、自分に対しても。
何故なら
価値は生命に従って付いている
―― ありあまる富/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2009、EMIミュージック・ジャパン
https://afsp.org/
https://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2016.303182
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- 2018年05月28日 19:23 |
- 馬鹿
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僕たちは、銃を持たない。
刀を持たない。
国民は国に向けて、
全面的に暴力を譲り渡し、
国は国民に向けて、
全面的に暴力を禁じた。
もちろん、それでいい。
Gun Violence Archive によると、
アメリカの今年の銃乱射事件は104件。
今日は2018年の146日目。
アメリカでは、毎日のように、
銃乱射事件が発生している。
合衆国憲法修正第2条により、
アメリカ国民は、銃を保有し、
携帯する権利がある。
暴力を保有し、携帯する人たちなんだ。
暴力がインフレを起こしている、
と丸腰の僕たちは考える。
アメリカは、建国以来241年のうち、
220年を戦争に費やしている。
星も笑った あの時
悲しくって 星がにじんだ あの日 あの頃
―― 嘲笑/玉置浩二
―― 北野武 作詞、玉置浩二 作曲、1993、
―― 2012、「Offer Music Box」、SMD itaku
http://www.gunviolencearchive.org/
https://ahtribune.com/human-rights/american-human-rights/1769-us-war.html
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- 2018年05月26日 20:51 |
- 馬鹿
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例えば、核兵器を持つ、なんてのは、
反対する人が圧倒的に多い、と思っている。
僕の周りだけかもしれないが、
おおよそ、個人は、核の保持には賛成しない。
核に賛成する企業はないと思うし、
市町村も、都道府県も、省庁もないと思うし、
核兵器禁止条約は、国連加盟193か国の、
3分の2以上で採択された。
個人から世界に広げていったときに、
国だけなんだ、核に賛成するのは。
それは、どういうことなのだろう。
国だけなんだ、核兵器を持つのは。
そんな、当たりまえのことについて、
考えるのは馬鹿っぽいけれど、
僕たちには、国民から国に向けて、
全面的に譲り渡したこと、
国から国民に向けて、
全面的に禁じたことがあって、
それが国なんだ、たぶん。

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- 2018年05月24日 20:05 |
- 馬鹿
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憲法は、国民から国に向けてのルール。
そんなふうに考える人が、
どれだけいるのかは知らないけれど。
憲法は、国民が国に突きつける。
ドナルド・トランプが、
安倍晋三に突きつけるのは見当違い。
戦争放棄と戦力の不保持は、
すべての国に適用されて、
初めてそれらが可能になる。
だから、国は、他のすべての国に、
戦争放棄と戦力の不保持を求めろ、
って、日本国民が日本国に言っている。
似合わない服を押しつられたけど、
70年も着てれば似合ってきたよね、
ってのが、歴史の記述だ。
歴史の記述は、変化の記述である。
そして、憲法が変わった、という歴史より、
国民が変わった、という歴史が、
余程、歴史の記述に値する。

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- 2018年05月22日 00:06 |
- 馬鹿
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国って何なのかを考えてみる。
たぶん、そんなのは考えるものではなくて、
どこかに正解があって、
それを憶えるものに違いない。
そう思う人は、個人的な考えを軽視する。
正解かどうか分からないものなんて、
読んでも少しも利口にならないから。
とりわけ、僕のような平易で馬鹿っぽい考察は。
もちろん、正解はあるのだろう。
例えば、ウィキなら、住民・領土・主権
及び外交能力(他国からの承認)を備えた
地球上の地域のこと、って説明する。
僕は、だから、国って何だよ、と思う。
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- 2018年05月21日 22:43 |
- 馬鹿
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中学で、日本国憲法の3つの原則を習った。
国民主権、基本的人権の尊重、平和主義。
でも、その前に、
憲法が何なのかは習わなかった、と思う。
法律は、国から国民に向けてのルールで、
対して、憲法は、国民から国に向けてのルール。
僕は、難しいことは知らないけれど、
簡単なことを見過ごすよりはいい、と思う。
でも、その前に、
国が何なのかも習わなかった、と思う。
国が何かも知らないのか、って、
そう言われると、恥ずかしくなるけれど、
いまさら、誰にも聞けないから考えてみる。
どんな言葉並べても
真実にはならないから
―― 花束を君に/宇多田ヒカル
―― 宇多田ヒカル 作詞作曲、2016、Virgin Music
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- 2018年05月20日 20:38 |
- 馬鹿
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どんな経験をするにしても、
僕たちは、その経験を言葉にしなければ、
自分の経験にはできない。
他人には、取るに足らない出来事でも、
自分が言葉を与えることによって、
その出来事は、自分の経験になったりする。
しかし、自分が感じたこと、思ったことは、
自分でもつかみどころがなくて、
とても、他人に伝えられるようなものではない。
だから、どこかで聞いたような、
よくある言葉で述べないと、
誰にでも分かるようには書けない。
書き手が忘れてはならないのは、
自分が書いたありふれたテクストを、
自分の経験にしないこと。
でないと、まだ言葉が与えられていないはずの、
書き手の心の内が、
ありふれた経験に置き換えられてしまう。
僕たちには、いつも、必ず、
言えなかった言葉がある。
いつだって、自分の言葉を捨てている。
書き手は、よくあるテクストを書き、
読み手は、それを了解する。
例えば、共感とか、相互理解とか、
分かり合える、なんて言いながら。
―― Eyes Were Young/Little Barrie
―― 2013、Hostess Entertainment
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- 2018年05月19日 12:21 |
- テクスト
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僕も含めて、ごく普通の人が、
かつての普通の人たちと違っているのは、
テクストを他人に宛てること。
つまり、他人に分かるように書く、
ということだ。
そして、何の関わりもない、
お互いにまるで知らないような、
宛名のない他人に宛てること。
つまり、誰にでも分かるように書く、
ということだ。
宛名がない他人に向けて、
何かしら書きたいことがあるんだ。
そして、望んでいるのは、おそらく、
例えば、共感とか、相互理解とか、
分かり合える、なんて言われることで、
いきおい、テクストは、
平均的な他人の理解が可能になるまで、
平均的なパターンに置き換えられる。
いつか、どこかで読んだような、
借りものの言葉に置き換えられる。
しかし、誰にでも分かるような、
ありていなテクストなら、
僕たちが書く動機は何だろう。
よくあるパターンのコピペに、
僕たちは何を感じるのだろう。
もしも、ありがちな意味に、
収まりきれないことが、
感動の要素だとすれば、
ありがちな感動なんてのは、
その要素を欠く語義矛盾になる。
それとも、誰もが、
感情が動かされるパターンに沿って、
予定通りの感動を受け取ることを、
望んでいるのだろうか。
例えば、共感とか、相互理解とか、
分かり合える、なんて言いながら。
―― Why Don't You Do It/Little Barrie
―― 2006、Hostess Entertainment
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018年05月15日 21:01 |
- テクスト
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僕も含めて、ごく普通の人が、
ごく普通の日常のできごとについて、
ごく普通の文章を書き、
それが続けば、普通は日記と呼ばれて、
でも、ただひとつ、僕たちが、
かつての普通の人たちと違っているのは、
それを得体の知れないプラットホームに載せて、
公開してしまうことだ。
そんな平凡で、とりとめのない、
生活感、現実感にあふれた、
思考の断片を扱うメディアはなかったし、
そんなものに価値があるとは思えなかった。
そんなものは誰も求めていなかったのに、
僕たちは何をしているのだろう。
それは、有史以来、初めての事象であり、
何が起きているのかは、誰も知らない。
もちろん、僕も含めて。
―― I.5.C.A./Little Barrie
―― 2017、Hostess Entertainment
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018年05月14日 12:54 |
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