他人を馬鹿にしても、
自分は利口にならないのに。
他国を見下しても、
自国は少しもよくならないのに。
つまりは、気分なんだ。
気分は、他人からの説得を受けないし、
自分を正当化する必要もないし、
自己懐疑することもない。
しかし、なにかにつけて、
馬鹿にされたと思い込む人は、
自分は馬鹿にされる存在であると、
誰よりも自分が思っているのだろう。
そんな人なら、他人を馬鹿にした分だけ、
自分が利口になることができる。
自分より下を作れば、
確実に自分が引き上がる。
僕たちは、くだらなくできいる。
僕は、ほめられたものではない。
かといって、馬鹿にされる存在でもない。
日本は、ほめられた国ではない。
かといって、馬鹿にされる国でもない。
何か知ら落ち込むだ心は
人熱彷徨つて流し流され
思へば遠くへ来たものだ
―― 長く短い祭/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2015、EMI Records Japan
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- 2018年06月26日 22:47 |
- 馬鹿
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ナショナリズムは、
論証抜きに取り入れている前提が、
僕とは異なる。
例えば、愛国心と反中反韓が、
疑いもなく、セットになっていたりする。
自国を愛することから、
隣国を嫌うことを導くのも、
逆に、隣国を嫌うことから、
自国を愛することを導くのも、
僕には、無理があるけれど、
でも、無理がない、と返されたなら、
もう、僕にはどうしようもない。
前提の違いは、結論に現れる。
もしも、論理的帰結に矛盾が生じれば、
僕は、その理論体系を誤りとするけれど、
でも、矛盾がない、と返されたなら、
もう、僕にはどうしようもない。
ナショナリストは、他人からの説得を受けないし、
自分を正当化する必要もないし、
自己懐疑することもないのだろう。
ナショナリズムの正しさには、
少しの無理もなく、まったく矛盾もないから。
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- 2018年06月25日 12:34 |
- 馬鹿
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日本史は、日本列島=country の歴史であり、
日本列島に住んでいた人たちの出来事である。
でも、それは、日本国家=state の歴史ではないし、
もちろん、日本国民=nation の出来事でもない。
国家も、国民も、まだどこにも存在していないし、
そんなものは、誰も想像もしていなかった。
でも、国家主義とか、民族主義とかに、
訳されるようなナショナリストたちは、
自ら、日本国民として、日本国家を、
原初的なものとして体験しているらしい。
近代国家なんて、ほんの仮初めの、
浅い歴史しか持ち合わせていないのに、
なぜか、日本国民が、神武天皇の昔から、
途切れることなく続いてきたような、
永遠に続くような、単線的な夢を見るんだ。
永遠なんて素気ないね
ほんの仮初めが好いね
―― 長く短い祭/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2015、EMI Records Japan
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- 2018年06月22日 12:07 |
- 馬鹿
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小さな政府がいいのか、
大きな政府がいいのか。
言い換えれば、国民は、
自由がいいのか、
それとも、平等がいいのか。
自由平等、なんてのは両立しない。
自由不平等がいいのか、
あるいは、不自由平等がいいのか。
政府は、国民の経済に、
どこまで介入するのか。
大きな政府を指向するのは、
ざっくり言うと、
社会民主主義的なリベラル、
極端には、共産主義、
ファシズム、全体主義。
小さな政府を指向するのは、
新自由主義、つまり、ネオリベ、
極端には、無政府主義、
つまり、リバタリアン、
否定的に、アナーキー。
正しい答なんてないけれど、
国は、どのように所得を再分配するのか。
あたしは君のメロディやその哲学や言葉全てを
守る為なら少し位する苦労もいとわないのです
―― 幸福論/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、1998、東芝EMI
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- 2018年06月20日 00:03 |
- 馬鹿
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国は、国民の行為の、何を善とするのか、
何を悪とするのか。
言い換えれば、国民の行為の、
何を有効とし、何を無効とし、
何を罪とし、どんな罰を与えるのか。
社会は、社会の目的が、
個人の目的と一致しないときに、
個人の自由な行為を、
どこまで許容するのか、
どこまで制限するのか。
共同体は、共同体の不利益になる行為を、
どこまで認めるのか。
つきつめれば、全体主義か、
無政府主義に行き着つくから、
極端に振ることはできない。
正しい答なんてないけれど、
国は、どのように暴力を再分配するのか。
静寂を破る独逸車と巡回車
警報 爆音 現実界 或る浮遊
―― 罪と罰/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2000、東芝EMI
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- 2018年06月19日 20:04 |
- 馬鹿
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政府は、明治5年の学制で、
地域ごとに、政治や、文化や、
慣習や、習俗や、伝統や、市場や、
話し言葉も、考え方も違ったこの国の、
言語と、知識、教養の統一を図った。
ようやく、国民=nation ができてくる。
国民とは、ほとんどが出会うこともなく、
その可能性もない、認知できないメンバーが、
なぜか、互いに同じ共同体に属していると、
認識し合える幻想である。
この村と、行ったことのないあの村が、
なぜか、均質の時空にあると、
思い込める信仰である。
あの村の人たちも、同じ空気を吸っていて、
この村の人たちと、同じ時を生きている。
日本語と一般教養が統一されて、
例えば、リアリズムを備えた小説が可能になる。
物語や、お伽噺ではなく、
現在進行形の時制で、僕たちと同質の、
架空の誰かとともに、泣いたり笑ったりできる。
パラダイムがシフトする。
僕たちには、当たりまえのことで、
何の感慨もないけれど。
僕たちは、生まれたときから国民で、
国民でないパラダイムを持っていないから、
国民でない、ってことを知らない。
国民になる、ってことが分からない。
わたしがあこがれているのはにんげんなのです
ないたりわらったりできることがすてき
―― りんごのうた/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2003、東芝EMI
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- 2018年06月17日 00:27 |
- 馬鹿
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1つの領土、country における、
1つの文化や民族、nation と、
1つの国家、state という組み合わせは、
江戸時代には、藩であり、
日本列島=country、
日本国民=nation、
日本国家=state の発想はなく、
江戸時代には、日本人という意識はない。
生まれ育った地元と、
村社会の共同体がすべてだった人たちに、
国民=nation という政治共同体は解らない。
天皇の臣民のほうが理解しやすい。
国民は、想像の産物であり、
天皇は、架空の生きものである。
雪をイメージできない人に、
粉雪、綿雪、細雪の説明はできない。
村人を広げても、国民にはならない。
日本のような小さな島国でも、
そのメンバーのほとんどすべては、
知らない人たちで構成されていて、
直接に会うことは不可能で、
間接的にでも知ることはなく、
そんな人たちは、今まで、
自分たちのメンバーに数え上げることがなかった。
いてもいなくても何の違いもない人を、
メンバーに加えると同時に、自分も、
いてもいなくても何の違いもない人の一員になって、
分別くさく、メンバーに収まる。
そんなの、収まり切れるわけがない。
動画は削除されました
ここに今ぼくがいないこと誰も知らなくて
そっと教えてあげたくて君を待っている
―― 電車かもしれない/たま
―― 知久寿焼 作詞作曲、2001、地球レコード
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- 2018年06月16日 12:08 |
- 馬鹿
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右翼は、吉田松陰に始まって、
2.26の失敗で終わった、としてみる。
街宣車や、ネトウヨや、ぷちナショは、
もちろん、右翼とは関わりを持たない。
体制批判として生まれ出て、
体制に組み込まれて消え失せたから、
右翼とは、左派で、革新で、
その立場をありのままに言えば、
それは、なんだか、左翼である。
いつも何故か 気付いた時には もう跡形も無い
伸ばす手の先で 消え失せる物程 欲しくなるんだ
―― 青春の瞬き/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2011、2014、EMI Records Japan
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- 2018年06月15日 00:07 |
- 馬鹿
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右派は、保守と右翼に分類される。
保守は、何に対して保守的なのかで、
右にも左にもなるけれど、とりあえず、
右を保守する保守を保守と呼んでみる。
保守は、理想を持たない。
必ずしも、持たなくてもいい。
持ちたいのなら、持ってもいいけれど、
理想がなくても、保守は務まる。
理想的な社会が頭に浮かんでいるのなら、
保守に留まっていないで、
理想の未来に向かって邁進すればよく、
しかし、それは、もはや保守ではなくなる。
保守には、目指すものがなく、
理想社会の実現をあきらめて、
いつも、いつまでも、その時々の、
複数の価値の合意形成を図ろうとする。
異なる価値を調整し合い、
対立する多様な価値観が、
共存、共生できる妥協点を探す。
ただし、平衡を保つのは不可能に思われ、
そして、現在は、永遠の過渡期になる。
この世にあって 欲しい物があるよ 大きくて勇ましくて動かない永遠
こんな時代じゃあ そりゃあ新しいかろう良かろうだろうが 古い物は尊い
―― 人生は夢だらけ/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2016、2017、EMI Records Japan
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- 2018年06月14日 21:03 |
- 馬鹿
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保守とか、右翼とか、右寄りの思想を、
右派と呼ぶことにして、
右派プロパーは、人の理性に限界を設ける。
だから、マルクスや、ケインズや、
何らかの意識的な計画などの、
理性に基づく国の設計を懐疑する。
右派は、もっと大きな、説明のつかない、
人知を超えるものを観ようとする。
ガラパゴスな言語や、
日本ローカルな信仰や、
根拠が乏しくて、年寄りくさくて、
不合理な側面を持ちながら、
それでも、僕たちの拠り所であるような、
慣習や、習俗や、伝統や、
自生的な秩序を重視する。
もはや意味が失われて、
儀式的な、形式に成り下がっても、
その形式を至上のものとして守り抜く。
そして、守り抜くのに理由はいらない。
未来ではなく過去を漁った 明後日ばっかり見てた君
それはそれで誰より輝いてた
―― 琥珀色の街、上海蟹の朝/くるり
―― 岸田繁 作詞作曲、2016、SPEEDSTAR RECORDS
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- 2018年06月13日 00:04 |
- 馬鹿
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