加えて、神、なんて大きな物語でなくても、
しょぼい僕の、しょぼい物語でも、
果たせるような目的であること。
表札とかレッテルとか 早い目にはがして 濁りのない強い目でさ
前だけ見れたらなぁ でもさ、そんな人なんて 気持ちが悪いよな
―― 魔法電車とキライちゃん/石風呂
―― 石風呂 作詞作曲、2012、1st PLACE
僕たちが想い描く小さな物語でいえば、
かつての、努力が報われるような物語、
つまり、勝ち負けはあるにしても、
ゲームを進めているうちに、
みんなが成長できるような、
ボードゲームのような物語でも、
今どきの、その場で状況が変わり、
次の展開では、敵と味方でさえも、
入れ替わるような物語、
つまり、勝ち負けでいえば、
誰かに対しては勝てるけれど、
誰かに対しては負けるような、
カードゲームのような物語でも、
いずれも、果たせるような目的であること。
それは、原理はさて置いて、偏(ひとえ)に、
自分を機能させることだと思っている。
生きているうちはずっと旬だと そう裏付けて
充たして いまを感じて覚えて何時もより 生きて、生きて、活きて居よう
―― 旬/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2009、EMIミュージック・ジャパン
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- 2019年06月30日 00:02 |
- 物語論
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生命も、心も、生も、死も、
いくらでも語ることができるし、
かつ、少しも語れる気がしない。
それら自体の、意味とか、
正しさとか、価値とか、
目的とか、根拠とか、
そんなのは、何も言えない、
ってのを前提にして、それでも、
生きる意味について語ってみるとすれば、
まずは、根拠のない妄想だけど、
僕は、何かの目的のために作られた、
って仮定してみる。
それは、神を措定する、と言い換えてもいい。
創造主がいる、と措定して、
その創造主には目的がある、
って措定してみる。
いつかは仕返しだって 見事にやってやる
だから覚悟は しておいてよね あなたのことです
―― ゲラゲラと笑うな/石風呂
―― 石風呂 作詞作曲、2013、1st PLACE
生まれる前から決まっていた目的を、
でっち上げるつもりはなくて、
生まれてから、死ぬまでの、
生の外側のことは、何も言えない、
ってのを踏まえて、僕が言いたいのは、
目的なんてものを知らなくても、
目的を果たせる、ってこと。
マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
―― 丸の内サディスティック/東京事変
―― 椎名林檎 作詞作曲、1999、東芝EMI
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- 2019年06月29日 00:01 |
- 物語論
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>酔っぱらって、裸になって、
>寝て、起きて、息子に怒って、孫を呪う、
自制が効かなくなるのは、
好ましくはないけれど、
昔から、酒癖が悪い人はいる。
酔って、脱ぎたがる人はいる。
ノアが、日頃からそんな人だったら、
それは、いつものことで、
ことさらに、問題は起きなかった。
日常的に、問題ではあるけれど。
お金がないので今日も一日中惰眠を謳歌する。
生きる意味なんて見出せず、無駄を自覚して息をする。
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
では、カナンが呪われた理由は、
ノアが、常々、そんな人でなかったからである。
酒を飲んでいなかったからである。
酔って、脱いでいなかったからである。
理由、ってのは、
どこにフラグを立てるか、ってことで、
物語、ってのは、
立てたフラグを関連づける、ってことだ。
僕たちは、不都合が起きてから、
理由を探し始めるから、
いつだって、その時々の、
作為から原因を拾ってくる。
不作為は、作為以外の、
すべての可能性のことであり、
不作為は、継続して不作為だから、
フラグを立てる位置が定まらない。
探せば探すほどに、埋もれてしまう。
特定できずに、見失ってしまう。
答は無いの? 誰かの所為にしたい
ちゃんと教育して叱ってくれ
―― 群青日和/東京事変
―― 椎名林檎 作詞、H是都M 作曲、2004、Virgin Music
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- 2019年06月28日 00:04 |
- 物語論
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>酔っぱらって、裸になって、
>寝て、起きて、息子に怒って、孫を呪う、
そんなノア爺さんは、僕たちの想像を絶するくらいに、
出来が悪い人だった、って想像してみる。
例えば、あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ、
なんてパラダイムなど、600歳になっても、950歳になっても、
ノアには、まったく分からないし、考えることもできなくて、
それは、考えない、というよりも、考えられない、というよりも、
もっと無垢な、考えるということ自体を知らないような。
まき散らした砂粒の模様をぼんやりと眺めているような。
あるいは、あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ、
ってフレーズを考えようとした途端に、構文が壊れ始めるような。
愛(って?)に隣人(こいつのこと?)を自分(なんで、おれが?)、 とか、
自分(なんで、おれが?)に隣人(こいつのこと?)を愛(って?)、 とか。
隣人愛なんて持ち合わせていたなら、ノアは生き残っていない。
「正しいものは正しくいなさい。」 「死にたくないなら生きていなさい。」
悲しくなるならそれでもいいなら ずっと一人で笑えよ。
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
さらに話を混乱させると、仲良しの隣人なら、
わざわざ誰かに言われなくても、誰だって仲良くできるから、
隣人とは、実は、どうしても仲良くなれない人たちや、
遠く離れた知らない人たちのことを指していて、
ってことは、隣人愛は、実際には、隣人愛を否定することになるけれど、
もちろん、ノアにそれを言っても無駄である。
ノアが馬鹿で、僕たちが利口、ってわけではなくて、
あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ、ってのは、
僕たちが、当たりまえに生活している日常の、
根っこに採り入れられたルールであり、それは、ゲームに参加して、
他のプレイヤーと共に生きてみないと分からない。
生きてるっていうことが何より大事だなんて
それなら僕らはなぜ夢を見続けてるの
―― 願い/琴音
―― 琴音 作詞作曲、2018、Eggs
あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ、ってのは、
革命家の転回で、驚きの哲学で、なんともロックな思想だ。
イエス・キリストは史上最高のロック・スターである。
ジョン・レノンは、We're more popular than Jesus now って言ってたけれど。
あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ、ってのは、
キリスト教だから、ってレッテルを貼って、自分から区別しようとしても、
誰も自分から切り離すことができないメッセージである。
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- 2019年06月25日 00:04 |
- 物語論
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箱舟から出たノアの息子は、
セム、ハム、ヤフェトであった。
ハムはカナンの父である。
この三人がノアの息子で、
全世界の人々は彼らから出て広がったのである。
さて、ノアは農夫となり、ぶどう畑を作った。
あるとき、ノアはぶどう酒を飲んで酔い、
天幕の中で裸になっていた。
カナンの父ハムは、自分の父の裸を見て、
外にいた二人の兄弟に告げた。
セムとヤフェトは着物を取って自分たちの肩に掛け、
後ろ向きに歩いて行き、父の裸を覆った。
二人は顔を背けたままで、父の裸を見なかった。
ノアは酔いからさめると、
末の息子がしたことを知り、こう言った。
「カナンは呪われよ/奴隷の奴隷となり、兄たちに仕えよ。」
また言った。「セムの神、主をたたえよ。
カナンはセムの奴隷となれ。
神がヤフェトの土地を広げ(ヤフェト)
/セムの天幕に住まわせ/カナンはその奴隷となれ。」
ノアは、洪水の後三百五十年生きた。
ノアは九百五十歳になって、死んだ。
―― 創世記、9章、18-28節、新共同訳
ノアは、方舟から出た後、
農夫になって、ぶどう畑を作った。
ある日のこと、ノアは、
ぶどう酒を飲んで、酔っぱらって、
裸になって、寝落ちしてしまった。
ノアの息子は、セム、ハム、ヤフェト。
裸で寝ているノアを発見したハムは、
セムとヤフェトに報告する。
セムとヤフェトは、ノアの姿を見ないようにして、
着物を掛けてやった。
酔いから醒めたノアは、
ハムの行為を知って、
ハムの子供、カナンを呪い、
子々孫々、奴隷として、
セムとヤフェトの子孫に仕えろ、と言う。
酔っぱらって、裸になって、
寝て、起きて、息子に怒って、孫を呪う、
っていう、600歳の爺さんの話だ。
僕らは命に嫌われている。価値観もエゴも押し付けて
いつも誰かを殺したい歌を 簡単に電波で流した。
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
めちゃくちゃな話だから、
それでは都合が悪いと考える人たちは、
ノアが怒った理由を探ろうとする。
僕は、理由なんかなくてもいいと思う。
人はそういう生きものだから。
僕たちは、不都合が起きてから、
悪者を捜し始める。
ノアは失態を演じたが、
誰にも見つからなければ、
ノアには、なんの不都合もなかった。
だから、ハムの不作為は正しい。
ノアに着物が掛かっている、ってことは、
ノアは誰かに失態をさらした、ってことである。
ハムは、運悪くノアの失態を発見した。
ハムが悪者にされる理由はそれだけだ。
ノアの裸を見ないのではなく、
何も見なかったことにしよう、
ってふうに、放っておくハムに比べて、
セムとヤフェトは思慮が足りない。
しかし、聖書がそんな下世話な話では、
都合が悪いと考える人たちは、理由を探す。
なぜなら、僕たちは、不都合が起きてから、
理由を探し始める。
平和を祈るのは 偏に女の生業
男は戦を勃発させるほう 大いなる境界線
―― 赤道を越えたら/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2014、EMI Records Japan
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- 2019年06月24日 00:01 |
- 物語論
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僕たちが話すのは、
聞いてもらうためである。
僕たちが書くのは、
読んでもらうためである。
予(あらかじ)め、または、同時に、
僕たちが聞いてもらうのは、
僕たちが読んでもらうのは、
理解してもらうためである。
理解してもらえそうにない人に、
理解してもらえそうもない話はしない。
理解してもらえない人なら、
すでに、このページを読んでいないだろう。
われわれの聴覚の限界
われわれの耳は、
自分が答えることのできる問いのみを聴く。
―― 喜ばしき知恵/フリードリヒ・ニーチェ
このとき無駄になったのは、
発声や、文字列の入力である。
僕たちが、何を言っても無駄、
っていうときは、このフェイズではない。
相手の耳に届くように、
何度でも、言い方を変えるから。
無駄にならないような、言い方を探すから。
そんな書き方を選ぶから。
幸福の意味すらわからず、産まれた環境ばかり憎んで
簡単に過去ばかり呪う。
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
発声や、文字列の入力は、
意味になって、意味を持つ。
何を言っても無駄、ってときには、
意味は相手に届いている。
人間は行為する生物である。
それは(中略)意味において<確定>されていない。
すなわち自分が自分の課題となり、
自分に向かって態度をとる生物といってよかろう。
外界へ向かってとるその態度の方は行為とよぼう。
つまり自分が自分の課題となるかぎり、
人間はまた自己に向かって構えをとり、
<自分を何物かにする>。
それはできればなしで済ませるような贅沢ではない。
<未完成>は人間の身体的条件であり、自然本性なのだから、
人間はまたどうしても訓育の生物となるだろう。
―― 人間 その本性および世界における位置/アルノルト・ゲーレン
届けられた意味が、
相手の課題にならないとき、
相手が自らを変えるような、
行為をしないときに、
僕たちをひどく疲れさせ、
何を言っても無駄、って思わせる。
相手に、変わろうとする構えがなければ、
何を言っても変わらない。
言い方を変えても無駄である。
あんたは仕様が無いと云うし 現実にあたしも判らぬ
泣いて惑う位なら もう 全部無かったことにしよう
―― 弁解ドビュッシー/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2000、東芝EMI
―― 喜ばしき知恵/フリードリヒ・ニーチェ 著
―― 村井則夫 訳、1882、2012、河出文庫
―― 人間 その本性および世界における位置/アルノルト・ゲーレン 著
―― 平野具男 訳、1940、1985、法政大学出版局
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- 2019年06月23日 00:04 |
- 物語論
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自分の弱さを武器にする人は、
うっとうしいくらいに、傷つきやすい。
感傷的で、ウエットで、そのくせ、
反吐が出そうなくらいに強い。
「寂しい」 なんて言葉で この傷が表せていいものか
そんな意地ばかり抱え今日も一人ベッドに眠る
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
自分は傷つけられた、
つまり、被害を受けた。
つまり、自分は被害者で、
つまり、相手は加害者であり、
被害者の自分は正しく、
つまり、加害者の相手は間違えている。
当然、加害者のほうが力が強く、
だからこそ、加害することができて、
被害を受ける者は、常に弱者であり、
つまり、相手は常に強者である。
あんたは仕様が無いと云うし 現実にあたしも判らぬ
泣いて惑う位なら もう 全部無かったことにしよう
―― 弁解ドビュッシー/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2000、東芝EMI
自分は悪いことなんて何もしていないのに、
弱者ってだけで、理不尽な被害を受けた。
自分は被害者=弱者=善であり、
相手は加害者=強者=悪である。
反撃の準備は整った。
ここから、弱さを全開、弱者を丸出しにして、
反吐が出そうなくらいに強くなる。

チャップリンが苦手なのは、
泣きも、笑いも、喜びも、哀しみも、
なんだか、総じてウエットだから。
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- 2019年06月22日 00:05 |
- 物語論
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努力をしたからといって夢はかなうわけでもないけど、
いままで夢をかなえた人で努力してこなかった人はいない。
―― 百田夏菜子
大きな物語は、すべて終わった。
努力すれば、報われる、なんて時代ではない。
努力しても、報われない世の中に移って久しい。
そんな世の中は間違っているけれど、
でも、ももクロの百田は、まったく正しい。
いつの時代も、努力しなければ、報われることはない。

だから、問題に対しては、行動によって解決を図る。
仕事をしなかった者に、
経歴や技能が与えられることはない。
勉強をしなかった者に、
資格や免許や学位が与えられることはない。
他人との関わりを避けていた者に、
コミュ力が与えられることはない。
友人や、彼氏や彼女が与えられることはない。
そんな世の中は間違っていない。
お金がないので今日も一日中惰眠を謳歌する。
生きる意味なんて見出せず、無駄を自覚して息をする。
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
問題に対して、行動によらないで解決を図るとすれば、
世の中は間違っている、って言い立てながら、
自分を納得させる言い訳を並べるほかはない。
行動している人は、世の中は間違っている、
なんて言わずに、黙って行動しているけれど、
それは、鈍感なわけでも、馬鹿なわけでもなくて、
世の中は間違っている、なんてのは、
最初から織り込み済みで、身をもって痛感している。
報われないことも多いけれど、
そんな世の中は間違っていない。
頑張って ダメで 悩んで 汗流して できなくって
バカなやつだって 笑われたって 涙こらえて
―― MR.LONELY/玉置浩二
―― 玉置浩二 作詞作曲、1997、Sony Records
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2019年06月21日 00:04 |
- 物語論
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>いつからでも、やり直せる、らしい。
>遅すぎることはない、らしい。
しかし、遅すぎて、やり直せないのは、
たいていのものごとには、期限があるから。
加えて、期限に間に合いそうにないものは、
たいていは、出来が悪いから。
少年だった僕たちは いつか青年に変わっていく。
年老いていつか枯れ葉のように 誰にも知られず朽ちていく。
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
他人のことは、行動で判断するのに、
自分のことは、なぜか、決意で判断する。
比較することで、判断したいのなら、
比べなきゃならないのは、
他人の行動と、自分の行動で、
他人の決意と、自分の決意だ。
その比較は、難しいけれど、
比べることができるのなら、自分は、
決意さえできていなかったことを知る。
その年の六月に卒業するはずの私(わたくし)は、
ぜひともこの論文を成規通(せいきどお)り
四月いっぱいに書き上げてしまわなければならなかった。
二、三、四と指を折って余る時日を勘定して見た時、
私は少し自分の度胸を疑(うたぐ)った。
他(ほか)のものはよほど前から材料を蒐(あつ)めたり、
ノートを溜(た)めたりして、
余所目(よそめ)にも忙(いそが)しそうに見えるのに、
私だけはまだ何にも手を着けずにいた。
私にはただ年が改まったら大いにやろうという決心だけがあった。
私はその決心でやり出した。
そうして忽(たちま)ち動けなくなった。
今まで大きな問題を空(くう)に描(えが)いて、
骨組みだけはほぼでき上がっているくらいに考えていた私は、
頭を抑(おさ)えて悩み始めた。
私はそれから論文の問題を小さくした。
そうして練り上げた思想を系統的に纏(まと)める手数を省くために、
ただ書物の中にある材料を並べて、
それに相当な結論をちょっと付け加える事にした。
―― こころ、第1部、25章/夏目漱石 著
―― 1914、1989、岩波文庫
今 社会とか世界のどこかで起きる大きな出来事を 取り上げて議論して
少し自分が高尚な人種になれた気がして 夜が明けて また小さな庶民
―― 彩り/Mr.Children
―― 桜井和寿 作詞作曲、2007、TOY'S FACTORY
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2019年06月19日 00:01 |
- 物語論
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取り返しがつかないとしても、
人生はやり直せる、らしい。
いつからでも、やり直せる、らしい。
遅すぎることはない、らしい。
少年だった僕たちは いつか青年に変わっていく。
年老いていつか枯れ葉のように 誰にも知られず朽ちていく。
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
やり直す、ってのは、紛らわしくて、
例えば、高校1年の夏休みに戻って、とか、
出会った頃の二人になって、とか、
もちろん、そんなことはできないから、
実は、やり直すも何もなくて、
今から、未来に向かうしかなくて、
立ち止まることさえできなくて、
やり直せる、と言っても、
やり直せない、と言っても、
結局は、同じことを指し示している。
やり直せた、って感想を持つ人が、
やり直せる、なんて言い、
やり直せなかった、って感想を持つ人が、
やり直せない、なんて言って、
言い訳や、説明を試みるけれど、
結局は、同じことを指し示している。
誰も皆 問題を抱えている だけど素敵な明日を願っている
臆病風に吹かれて 波風がたった世界を どれだけ愛することができるだろう
―― HANABI/Mr.Children
―― 桜井和寿 作詞作曲、2008、TOY'S FACTORY
やり直せる人生も、やり直せない人生も、
等しく、明日からの残りの人生でしかないが、
遅すぎることがないのは、残りの人生が、
過去の意味まで変えるからである。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2019年06月18日 00:02 |
- 物語論
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