ミニとドライブがしたい。
誰かと、ではなくて、独りで、でもなくて。

こんなことは、今まで、一度も、
考えたことはなかったけれど、
ミニが行きたい場所はどこだろう。
ぼくのせいいっぱいのやさしさを
あなたは受けとめる筈もない
―― 秋の気配/オフコース
―― 小田和正 作詞作曲、1977、東芝EMI
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- 2019年08月31日 00:07 |
- ラパン/ミニ
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ほめる言葉が見つからないから、
言葉にできない、ってことをほめ言葉にして、
文章を起こしてみるのなら。
僕たちは、言語を獲得することによって、
言語に当てはまらないものごとを、
理解できなくなっているけれど、
世の中には、言い表せられないものごとが、
いくらでもある、ってことにしてみる。
僕には、言語化できないだけで。

ミニは、言葉にならない感情を自らに留め、
僕は、走るたびにそれを引き出させ、
僕が、それを良いこととして同意できれば、
僕にとって、ミニは良いクルマだ。
クルマの意味を越えてしまうけれど、
僕にとって、ミニは感情の積み重ねである。
そんなふうに、僕は、ミニに乗れて幸せだった。
さよなら 君の声を抱いて歩いていく
ああ 僕のままで どこまで届くだろう
―― 楓/スピッツ
―― 草野正宗 作詞作曲、1998、Polydor
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- 2019年08月30日 00:08 |
- ラパン/ミニ
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筒井康隆に、『お紺昇天』という短編がある。
「お紺」と名づけられたコバルトブルーのクルマと、
その持ち主「ターター」の物語。
近未来、クルマには人工知能が搭載され、
自動運転や、人と会話をする機能が与えられている。
僕たちは、『お紺昇天』の未来の、
すぐ手前にいるのだろう。

ある夜、ターターは、お紺から別れを告げられる。
理由を言わずに去ろうとするお紺に、
納得がいかないターターが食い下がる。
古いクルマのお紺は、部品が悪くなったから、
スクラップ場に行かなければならない、と真相を明かす。
部品なら取り換えればいい、ってターターは言うけれど、
老朽化した車が使えなくなったときには、
修理ができない契約になっている。
お紺に説得されて、ターターは修理を諦める。
お紺との別れを引き延ばそうとするターターは、
思い出話をしながら、スクラップ場までついて行く。
「さようなら、ターター」
「さようなら、お紺」
別れた後で、「わたしって、とてもしあわせだったわ。
何てしあわせだったんでしょう」ってお紺が言う。
「何て、すばらしい車だったんだろう」
って一人で歩いて帰るターターが呟く。
人とクルマでは、恋愛にならないから、
それ以上のことは言えないんだけれど。
記憶の中で ずっと二人は 生きて行ける
君の声が 今も胸に響くよ それは愛が彷徨う影
―― Hello, Again ~昔からある場所~/MY LITTLE LOVER
―― 小林武史 作詞、藤井謙二、小林武史 作曲、1995、TOY'S FACTORY
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- 2019年08月28日 00:14 |
- ラパン/ミニ
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丸い目と、小さな耳と、小さな鼻の、
うれしいような、悲しいような顔。
長い別れになるから、
さよならを言うまでに時間がかかる。
長い別れになるから、
何度もさよならを言ってみる。
long とgoodbye の多義性を想う。

長い別れになるから、
時間をかけて、
別れの言葉を探している。
追い求めた影も光も 消え去り今はただ
君の耳と鼻の形が 愛おしい
―― 君が思い出になる前に/スピッツ
―― 草野正宗 作詞作曲、1993、Polydor
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- 2019年08月26日 00:01 |
- ラパン/ミニ
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感傷的になりたくなるのは、
心を痛めていると、気分がいいから。

ウエットでいるほうが、感受性が豊かで、
優しい自分になれた気がするけれど、
そんなのは、もう、僕には、
恥ずかしくて、やってられない。
僕は、もっと鈍感で、図々しくできている。
「何が悲しい?」と尋かれたって 何も哀しんでなど居ないさ
丁度太陽が去っただけだろう
―― 落日/東京事変
―― 椎名林檎 作詞作曲、2005、東芝EMI
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- 2019年08月24日 00:02 |
- ラパン/ミニ
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過去を振り返ること、
って、ほとんどなくて、
何も憶えていないような僕でも、
ミニで区切りを入れられたら、
いろんなことが思い出されてくる。

楽しいことばかり、
ではなかったはずなのに、
ミニと過ごした時間なら、
何もかも、みんな懐かしくて、
きれいな思い出に変わろうとしている。
ひとつの時代の終わりには。
最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
―― 若者のすべて/フジファブリック
―― 志村正彦 作詞作曲、2007、EMI Music Japan
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- 2019年08月23日 00:05 |
- ラパン/ミニ
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好きだけれど、近いうちに、
別れなきゃと思う。

いつもどこかが壊れているから、
トラブルには慣れている。
でも、もう、そろそろ、
安全を請け合えなくなってきた。
次の車検を取るのはやめた。
悲しくて 悲しくて 君のこと想うよ
もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて
―― Hello, my friend/Goose house
―― 松任谷由実 作詞作曲、1994、東芝EMI
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- 2019年08月21日 00:01 |
- ラパン/ミニ
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哲学とは何か、なんて、言葉で定義を行うのは、
そもそも、できないのかもしれないけれど、
できない、ってことは、自由に定義を提案できる、ってことだ。
1、僕は世の中をこんなふうに観る、
2、だから、僕は世の中をこんなふうに理解する、
3、だから、僕は世の中をこんなふうに生きる。
改めて、哲学を、そんなふうに定義してみる。
僕らは命に嫌われている。幸福の意味すらわからず、
産まれた環境ばかり憎んで 簡単に過去ばかり呪う。
―― 命に嫌われている。/初音ミク
―― カンザキイオリ 作詞作曲、2017、2019、神椿レコード
1 と2 は、地続きだと思う。
ほとんど同じことを言っているから。
しかし、2 と3 は、直ちに接続するとは限らない。
3、だから、僕は世の中をどんなふうにも生きられない。
なんて跳ばされる可能性が、世の中には溢れているが、
それこそが、哲学の領分と言ってもいい。
3、だけど、僕は世の中をこんなふうに生きる。
懸隔は、だから、ではなく、だけど、でつないでみる。
順接ではなく、逆接で結んで生きてみる。
それだけで底が深くなる。
時は早く過ぎる 光る星は消える
だから君は行くんだ微笑んで
―― アンパンマンのマーチ/黒木佑樹
―― やなせたかし 作詞、三木たかし 作曲、1988、VAP
懸隔は、だけど、ではなく、だから、でつないでみる。
逆接ではなく、順接で結んで微笑んでみる。
それだけで底が深くなる。
諸行無常、だから、微笑む。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2019年08月11日 00:03 |
- 馬鹿
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4歳の頃、僕は、外に出たら、
毎日、いつでも、5分で泣いて戻ってくる子どもだったらしい。
それは、近所に、2つか3つ年上のいじめっ子がいて、
僕がその子に見つけられるのに、
いつも、5分くらいを要した、ってことによる。
いつものように泣いて帰ってきた僕に、
ある日、母が、玄関先で命じた。
やり返してくるまでは、帰宅を許可しない。
逡巡しているうちに、僕は、いつものように、
また5分で、いじめっ子に発見されてしまった。
Excuse me too busy you're writing your tragedy
These mishaps you bubble-wrap, When you've no idea what you're like
―― Let Go/Emily Hearn
―― Imogen Heap、Guy Sigsworth 作詞作曲、2002、Island Records
その日の夕方、腕に包帯を巻いたいじめっ子と、
その母親が訪ねてきて、うちの母に詰め寄った。
僕に、腕に咬みつかれた上に、顔面を蹴られたそうだ。
しかし、2人はうちの母に、問答無用で追い返されて、
僕の狼藉(ろうぜき)は不問に付された。
うちの母は、玄関先でいじめっ子に命じたらしい。
うちの子に二度と関わるな、って。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2019年08月09日 00:02 |
- 馬鹿
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言いたいことは、もう二度と関わるな、ってこと。
彼とは、言葉が通じるとは思えないから。
以下、8月の、4日分ほどの、彼のブログの感想を書いてみる。
8月5日、タイトルは、「君がいた夏、僕がいた夏…」、
https://pobohpeculi.blogspot.com/2019/08/blog-post_5.html
彼は、二階堂奥歯、って人の、『八本脚の蝶』から引用する。
ものごころのつきはじめた頃。
いろとりどりの光の揺らめきでしかなかった世界を分節しはじめた頃。
その頃見ていた景色はこんな感じではなかったか。
はじめて空を見た頃。
はじめて水面に映る秋桜の影を見た頃。
そのころの景色はこんな感じではなかったか。
二階堂奥歯が観ていたのは、
広くて、ひたすら輝かしかった世界。
それに対して、彼はこんなふうに書いている。
そうかもしれない。
でもわたしの見たであろう空の色は、世界の姿は、彼女がそのように感じたような、
テリ・ワイフェンバックの写真のような鮮明で、くっきりと縁取られたものではなかっただろう。
広くて、ひたすら輝いていたであろう世界を、
二階堂奥歯だって、記憶しているわけではなくて、
そのころの景色はこんな感じではなかったか、って疑問を呈している。
その頃見ていた景色が、狭くなくて、曇ってもいなかったと思われる理由は、
「分節」、つまり、世界が切り分けられていなかったからである。
まだ、分節化について、社会からの強制を受けていなかったからである。
なぜ、分節が始まったばかりの世界で、
彼が、鮮明で、くっきりと縁取られたものではない世界を生成するのか。
彼には、二階堂奥歯の文章の意味が、理解できていないと思われる。
Excuse me too busy you're writing your tragedy
These mishaps you bubble-wrap, When you've no idea what you're like
―― Let Go/Emily Hearn
―― Imogen Heap、Guy Sigsworth 作詞作曲、2002、Island Records
彼は、最後に、2枚の画像を掲げている。
ワイングラスと、木箱に収められた3本のワイン、
この画像に注目したい。
8月7日、タイトルは、「ア・デッド・フォレスト・インデックス - たまにはロック」、
https://pobohpeculi.blogspot.com/2019/08/blog-post_10.html
彼の、画像の選択について、参考になる記述がある。
わたしは視覚的要素で人を判断するところがあるようだ。
悪意に取れば、「言葉」はいかようにも操作できる。
それに引き換え、その人自身の描いた画や、
彼や彼女が選んだ画は選んだ人の感性を、センスを、
もっと直接的に伝えてくれる。
言葉のように繕いようがなくその人が透けて見えてしまう。
なるほど、彼が選んだワインの画像は、選んだ彼の感性を、
センスを、直接的に伝えるから注目に値する。
僕なら、そんな画像を、そんな配置で掲載する人の美意識を疑ってしまう。
インターットのメリットは、例えばオーファンなりドロローサなり、センスのいい人たちがどんな音楽を聴き、
どんな映画を好み、どんな本を愛読しているかを知ることができること。
そういう「覗き見」は昔から大好き。
センスのいい人たちの好みをそのままパクれば、
センスのいい自分になれたような気がしてくるのかもしれないが、
自分が選んで並べた画像には、残念ながら、虚飾がない。
繕いようがなくその人が透けて見えてしまうから。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2019年08月09日 00:02 |
- 馬鹿
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