>では、それが論理的に解ける問題なら、その答は、
>すべて問いの中に隠されているはずであり、
>>言われなくても分かっている、というそのことを、
>言ってみなければ分からないときがある。
何かを書いてみる理由、なんてのは、
赤ん坊の問いではない、幼児の問いでもない。
すでに書いていて、書くことに慣れてきて、
多少なりとも、論理的にも書けてきて、
その後から生まれる問いである。
問いは答に追いつけない、追い越せない。
僕たちは、書く理由を感じ始めてから、
つまり、答を得られ始めてから、
書く理由、なんてことを問い始める。

答よりも、問いのほうが遅い。
書く理由、なんて問いの前に立たされたときは、
書くことによって、答は出される。
僕が書くことは、すなわち、僕の書く理由、って問いに、
僕が、正しく答えることである。
I am God's child この腐敗した世界に堕とされた
How do I live on such a field? こんなもののために生まれたんじゃない
―― 月光/鬼束ちひろ
―― 鬼束ちひろ 作詞作曲、2000、東芝EMI
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- 2020年01月29日 00:00 |
- 自分らしさ
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>わざわざ誰かに言われなくても、
>そんなこと、誰でも分かっているような、
>当然のことを書くのが馬鹿みたいなのは、
>言われなくても分かっている、というそのことを、
>言われなければ分からない、という、
>その当然さが分かっていないことによるけれど、

論理、ってのは、もとより、同語反復であり、
もしも、そこに別の新たな発見があるのなら、
それは、論理が飛躍していることになる。
では、それが論理的に解ける問題なら、その答は、
すべて問いの中に隠されているはずであり、
>言われなくても分かっている、というそのことを、
言ってみなければ分からないときがある。
あなたはすぐに絶対などと云う あたしは何時も其れを厭がるの
だって冷めてしまっちゃえば 其れすら嘘になるじゃない
―― ギブス/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2000、東芝EMI
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- 2020年01月28日 00:00 |
- 自分らしさ
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自分が正しいからといって、
相手が間違っているとは限らない。
相手だって、自分が正しいのだから。
自分は正しい、相手も正しい、
そんなことはいくらでもあって、
自分は間違っている、相手も間違っている、
そんなこともいくらでもある。

わざわざ誰かに言われなくても、
そんなこと、誰でも分かっているような、
当然のことを書くのが馬鹿みたいなのは、
言われなくても分かっている、というそのことを、
言われなければ分からない、という、
その当然さが分かっていないことによるけれど、
僕は、馬鹿みたいなことを書いてみる。
ああ 男の子 ちゃんと傷つけ 今は偉大なあやまちの真っ最中
ああ 女の子 ぼくらホントにばかだけど なんでもするよ 泣かないで
―― ゴッホ/ドレスコーズ
―― 志磨遼平 作詞、the dresscodes 作曲、2013、日本コロムビア
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- 2020年01月27日 00:00 |
- 自分らしさ
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>では、問題は、持ち物の多さではない。
>問題は、主体性の少なさであり、
>問題は、仕向けられることである。
僕たちが、ついつい繰り返してきた勘違い。
見当違いの対立軸を作って、
逆に振れて、価値を反転させたがる。
善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや、
ってのが、その好例で、
その対立軸は、善人か悪人か、ではない。
善人も悪人も、他力によって往生を遂げる。
自力作善の善人は、
他力を頼む心を欠くけれど、
それでも往生を遂げるとすれば、
悪人なら、なおのこと。
善人か悪人か、の座標ではなく、
対立軸は、自力か他力か、である。
本当は全部大事である 本当は全部ラビッシュであろう
本当は全部真理である 本当は全部トリックであろう
―― 弁解ドビュッシー/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2000、東芝EMI
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- 2020年01月26日 00:01 |
- ラパン/ミニ
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問題は、消費することではなく、
消費させられることである。
同様に、問題は、捨てることではなく、
捨てさせられることである。
問題は、ミニマリズムを選ぶことではない。
定職を得るのが困難で、
可処分所得が増えそうにないフェーズでは、
自ずと、ミニマリズムを選ばされることにある。
では、問題は、持ち物の多さではない。
問題は、主体性の少なさであり、
問題は、仕向けられることである。
待てこら 未だ答えは聞けちゃ居ないのさ
洗い浚い吐け 今宵は常套句なんて通用しないと思え
―― 喧嘩上等/東京事変
―― 椎名林檎 作詞作曲、2006、東芝EMI
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)
これらは二十二箇月の
過去とかんずる方角から
紙と鉱質インクをつらね
(すべてわたくしと明滅し
みんなが同時に感ずるもの)
ここまでたもちつゞけられた
かげとひかりのひとくさりづつ
そのとほりの心象スケツチです
―― 春と修羅、序/宮沢賢治
まるで、ヘーゲル、精神現象学、
Phänomenologie des Geistes、
世界はガイスト=精神・幽霊であり、
世界はガイストのフェノメノン=現象である。
主観と客観は同じ ―― 主客合一で、
ヘーゲルに言わせれば、
それは、ガイストの正面と背面であり、
宮沢賢治に言わせれば、
それは、交流信号のプラスとマイナスである。
私とは、そのように仮定された現象だ。
みんなと同期する中で、
でき上がってくる自分なら、
自分という現象が、そのまま、
社会現象の寄せ集めであり、
自分は、世の中の現象を、
あれこれ抱え込みながら明滅する。
自分の心は、世界との交流の結果であり、
風景や、みんなのガイストの複合体だ。
自分の心は、因果交流電燈のひとつの青い照明。
世界が夢を見る夜明けに、目覚めた誰かが、
思い立って、ゴミを仕分け始める。
―― 宮沢賢治詩集/宮沢賢治 著
―― 谷川徹三 編、1979、岩波文庫
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- 2020年01月25日 00:01 |
- ラパン/ミニ
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例えば、靴なんか3足で済む、なんてのは、
どこにも行かないし、何もしない、ってことだ。
プールに行かなきゃビーサンはいらない、
海に行かなきゃウォーターシューズはいらない。
山に行かなきゃトレッキングシューズはいらない、
バイクに乗らなきゃライディングブーツはいらない。
夏祭りに行かないのなら、スキー場に行かないのなら、
ランニングも、テニスも、ゴルフもしないのなら。
結婚式にも、葬式にも出ないのなら。

@倉吉白壁土蔵群/倉吉市東仲町
どこかに行ったり、誰かに会ったりする経験の方が、
物よりも価値がある。
僕だって、もちろん、そう思っている。
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- 2020年01月23日 00:03 |
- ラパン/ミニ
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ミニマリストに従えば、
僕は、これまでも、これからも、
幸せになれそうにない。
ミニマリズムは、物を減らすことで、
家事や片づけの時間と、
消費にかかる出費を減らして、
余ったリソースを、
生産的に使える、と説くが、
生産をするにも、その多くは、
何もなければ作り出せないけれど。
本当は全部大事である 本当は全部ラビッシュであろう
本当は全部真理である 本当は全部トリックであろう
―― 弁解ドビュッシー/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2000、東芝EMI
作られたものは作るものを作るべく作られたのであり、
作られたものというそのことが、
否定せられるべきものであることを含んでいるのである。
しかし作られたものなくして作るものというものがあるのでなく、
作るものはまた作られたものとして作るものを作って行く。
―― 行為的直観/西田幾多郎
―― 西田幾多郎哲学論集2/西田幾多郎 著、上田閑照 編、1988、岩波文庫
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- 2020年01月21日 00:00 |
- ラパン/ミニ
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私は物質的な豊かさを捨てて、
って言いたがる人の、
精神的な豊かさに、
私は繊細だから、
って言ってしまえる人の、
図々しさを思い、
私は思慮深いので、
って言ってしまえる人の、
思慮のなさを思う。
なんて、言ってしまえば、
それもまた、すぐさま、
僕に返ってくるブーメランで、
自らの臆面のなさを思い知る。
待てこら 未だ答えは聞けちゃ居ないのさ
洗い浚い吐け 今宵は常套句なんて通用しないと思え
―― 喧嘩上等/東京事変
―― 椎名林檎 作詞作曲、2006、東芝EMI
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- 2020年01月19日 00:01 |
- ラパン/ミニ
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