tetsugaku poet

qinggengcai

誰だって、自分が正しい 30/xx


>すなわち、僕なら、どんなときに、
>生きる理由を感じることができるのか?

        解答のない世の中に対して、
        厭世観で答えても、問いは終わらない。

もとより、世の中の側には、
答えることができない問いだから。

        すでに、解答権は、自分に移っていて、
        どんな答でも、答えることができただけで、

        誰だって、その答えが正しい。



    200220d.jpg

>すなわち、僕なら、どんなときに、
>生きる理由を感じることができるのか?

        ここで問いを変えてしまうのは、悩まないため。
        ここで論理を跳ばすことができてしまえるのは、

        跳ぶことを認めてくれる、誰かがいるから。



    200220e.jpg

    

    何が君の幸せ 何をして喜ぶ
    解らないまま終わる そんなのは嫌だ!

    ―― アンパンマンのマーチ/黒木佑樹
    ―― やなせたかし 作詞、三木たかし 作曲、1988



    人間が生の意味は何かと問う前に、
    人生のほうが人間に対し問いを発してきている。
    だから人間は、本当は、
    生きる意味を問い求める必要などないのである。
    人間は、人生から問われている存在である。
    人間は、生きる意味を求めて問いを発するのではなく、
    人生からの問いに答えなくてはならない。

    ―― 死と愛 ~ 実存分析入門/V.E.フランクル 著
    ―― 霜山徳爾 訳、1946、1983、みすず書房



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月29日 00:00 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:10

誰だって、自分が正しい 29/xx


>行動によって答えが出される。
>多くを語れば、嘘になるから、
>余白を残して、空けておけばいい。
>書くことで、余白が埋められる。
>生きることで、余白が埋められる。

なぜ書くのか? なぜ働くのか?
なぜ考えるのか? なぜ学ぶのか?
ひっくるめて、束にして、なぜ生きるのか?
問いが、絶対的な理由を問うものなら、
確かな答は見つからない。

書いて、働いて、考えて、学んで、
あれこれ経験して、生きてから後に、
問いは、問い方を変えられて、
僕にでも答を見出せる問いになる。
すなわち、僕なら、どんなときに、

生きる理由を感じることができるのか?



    200223a.jpg

    

    何が君の幸せ 何をして喜ぶ
    解らないまま終わる そんなのは嫌だ!

    ―― アンパンマンのマーチ/黒木佑樹
    ―― やなせたかし 作詞、三木たかし 作曲、1988



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月27日 00:01 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

誰だって、自分が正しい 28/xx


人が書く理由は何か、
それは、書く者の問いであり、
書いていなければ問うことはなく、

        当たりまえといえば、
        当たりまえだけれど、
        問いは、その当然さに劣後する。

人が考える理由は何か、
それは、考える者の問いであり、
考えていなければ問うことはなく、

        人が生きる理由は何か、
        それは、生きる者の問いであり、
        生きていなければ問うことはない。

        いまさら問うのは遅いんだ。



    200223e.jpg

書けるようにしてくれと頼んだ憶えはないが、
僕にとっては、頼んでいたのと大差はない。
いまさら、書けなくなることは望まないし、

        僕を、書けるようにしてくれて、
        僕は、それを受容し、それを感謝し、
        僕が、それで良かった、と肯定できるから。

仮に、書くことができる現状を排除し、怨嗟を募らせ、
それを悪いと否定する記述があったとしても、
基点は、書けてしまっている、ってことにある。

        無理に答えようとするから間違える。
        分からないことには、答えない。
        馬鹿なふりをして、ゼロ記号で答えてみよう。

        答えなくても、すでに解答済みだから。



    200223d.jpg

    

    真っ新に生まれ変わって 人生一から始めようが
    へばりついて離れない 地続きの今を歩いているんだ

    ―― 白日/Goose house
    ―― 常田大希 作詞作曲、2019、Ariola Japan



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月26日 00:00 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8

誰だって、自分が正しい 27/xx


>書く、ってのは、何のことかと、
>問いたくなるのは、あらかじめ、
>答が用意されていないからである。

>書く、ってのは、何のことかと、
>言ってみたくなるのは、もとより、
>言い得ないことだったからである。



    200127c.jpg

加えて、働く、ってのは、何のことかと、
考える、ってのは、何のことかと、
学ぶ、ってのは、何のことかと。

ひいては、風が吹く、ってのは、何のことかと、
花が咲く、ってのは、何のことかと、
まるで、子どもみたいな問いが隣り合う。

問い方によっては、いずれも、
どこにも答が用意されていないし、
どれもこれも、言い得ないものごとになる。



    200208c.jpg

なぜ風が吹くのか。
僕たちは、気圧差による空気の移動を風と呼び、
風が吹くのは、気圧差により空気が移動するから。

なぜ花が咲くのか。
僕たちは、種子植物の生殖器官を花と呼び、
花が咲くのは、種子植物が生殖を行うから。

欲しかった答は、そんなふうに、どこかに正解があって、
それを憶えればいいような知識ではない。
僕たちが問いたかったのは、たぶん、

風や花の存在論であり、目的論である。



    200220a.jpg

なぜ風が生まれて、何のために吹くのか、
なぜ花が生まれて、何のために咲くのか。
風や花に寄り添って、隣り合う問いは、

なぜ僕が生まれて、何のために生きるのか。



    

    なんのために生まれて なにをして生きるのか
    こたえられないなんて そんなのはいやだ!

    ―― アンパンマンのマーチ/黒木佑樹
    ―― やなせたかし 作詞、三木たかし 作曲、1988



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月25日 00:01 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

誰だって、自分が正しい 26/xx


時には、正しさと間違いは関係がなく、
自分の正しさは、相手の正しさの埒外(らちがい)にある。
正しい、とか、間違っている、とか、
言い争っていても埒が明かない。
そのとき、正しさと間違いは、非対称で、
喩えるなら、どちらも、単品でのオーダーになる。

正しくなければ、間違いというわけではなく、
間違いでなければ、正しいというわけでもない。
正しさは間違いの、間違いは正しさの、
それぞれの、補集合にはならない。
正しさが増えれば、間違いが減るわけではなく、
正しさと間違いが拮抗するわけでもない。

数直線上の序列でも、偏差の正規分布でもない。



    200223c.jpg

関係があるような見かけでも、実は、関係がない。
例えば、愛国心と反中反韓のようなもの。
自国の正しさと、隣国の間違いは、
関係があるように見えて、別のことである。
自国が正しいのなら、隣国が間違いというわけではなく、
隣国が間違いなら、自国が正しいというわけでもない。

なんとなく、セット売りになっているだけのこと。



    200223b.jpg

    

    時には誰かを 知らず知らずのうちに 傷つけてしまったり
    失ったりして初めて 犯した罪を知る

    ―― 白日/King Gnu
    ―― 常田大希 作詞作曲、2019、Ariola Japan



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月24日 00:00 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:16

誰だって、自分が正しい 25/xx


>機会費用を考慮するなら、
>僕は、利益を取り損ねている。
        >損得を価値判断の基準に置く人なら、
        >僕の無益な思考を蔑視するだろう。

損をしたくない人なら、当然、
投下したリソースに見合った答を期待する。
        せっかく考えるのだから、
        正しい答だったことにしたいし、

せっかく考えるのだから、
価値のある答だったことにしたい。
        そして、せっかく考えるのだから、
        自分に都合のいい答が望ましく、

その実質は、自分に都合のいい答が先にあって、
期待通りの答を受け取りに行くために考える。
        >知ること、考えること、感じること、
        >知識と思考と感情を、自分に都合よく混ぜ合わせれば、

        >誰だって、自分が正しい。



    200220c.jpg

自分に都合の悪い知識を忘れて、
自分の経験を都合よく解釈して、
        自分に都合のいい推量を働かせて、
        自分に都合よく思考を展開させれば、

        誰だって、自分が正しい。



    200220f.jpg

    

    後悔ばかりの人生だ 取り返しのつかない過ちの 一つや二つくらい
    誰にでもあるよな そんなもんだろう うんざりするよ

    ―― 白日/森恵
    ―― 常田大希 作詞作曲、2019、Ariola Japan



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月23日 00:00 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6

誰だって、自分が正しい 24/xx


書く、ってのは、何のことかと、
問いたくなるのは、あらかじめ、
答が用意されていないからである。

書く、ってのは、何のことかと、
言ってみたくなるのは、もとより、
言い得ないことだったからである。

プリセットされた答があるのなら、
自分が書く意味はなく、ほかの誰かでも、
人工知能でも、いくらでも代替が利く。

書く、ってのは、そもそも、
解決するべき問題ではない。
自分がするべき体験であり、

行動によって答が出される。
多くを語れば、嘘になるから、
余白を残して、空けておけばいい。

書くことで、余白が埋められる。



    200220h.jpg

生きる、ってのは、何のことかと、
問いたくなるのは、あらかじめ、
答が用意されていないからである。

生きる、ってのは、何のことかと、
言ってみたくなるのは、もとより、
言い得ないことだったからである。

プリセットされた答があるのなら、
自分が生きる意味はなく、ほかの誰かでも、
人工知能でも、いくらでも代替が利く。

生きる、ってのは、そもそも、
解決するべき問題ではない。
自分がするべき体験であり、

行動によって答が出される。
多くを語れば、嘘になるから、
余白を残して、空けておけばいい。

生きることで、余白が埋められる。



    200220g.jpg

    

    季節を越えて また出逢えたら 君の名前を呼んでもいいかな
    その頃にはきっと 春風が吹くだろう

    ―― 白日/Goose house
    ―― 常田大希 作詞作曲、2019、Ariola Japan



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月22日 00:01 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

誰だって、自分が正しい 23/xx


知識が、まだ知識のままで、
頭の中に蓄積された状態では、思考には至らない。
        知識だけを仕入れて、もの知りになったとしても、
        それがいったい、どれほどの意味を持つのか。

スマホのアンテナが立っているのなら、
僕は、もう、自分の知識なんて当てにしないけれど、
        スマホは、教えてくれるだけで、
        僕のことなど少しも考えてくれない。

        僕のことは、僕が考えなきゃならない。



    200220b.jpg

よく分からないまま、分かったふりをしないためには、
自分の言葉で考えなきゃならない。
        考える、ってのは、自分の言葉で考えることと、
        別のことではあり得ないから。

僕が見て、僕が聞いて、僕が感じたことは、
検索窓に入力して探しても、
        どこにも保存されていないから。
        少ない語彙でも、言葉足らずでも、

        今日まで生きてきた、僕が考えることだから。



    200220a.jpg

    

    痛いけど走った 苦しいけど走った
    報われるかなんて 分からないけど

    ―― 明日も/SHISHAMO
    ―― 宮崎朝子 作詞作曲、2017、Good Creators Record



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月21日 00:00 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

誰だって、自分が正しい 22/xx


>自分が書いたことの意味が、
>自分は、本当に分かっているのか?
>書くという表現で示した自分の思考を、
>自分は、本当に書くという行動で示せるのか?
>書く、ってことは、そんなふうに、
>僕が出した問いに、僕が問われながら、
>僕が、正しく答えることである。

って、自分が書いたことの意味が、
自分は、本当に分かっているのか?
って、僕が問われながら、
僕が、僕に、正しく答えてみる。
書くという表現で示した自分の思考を、
書くという行動で示してみる。
自分で自分が面倒くさいけれど、

誰も代りにはやってくれない。



    200127d.jpg

>知ること、考えること、感じること、
>知識と思考と感情を、自分に都合よく混ぜ合わせれば、
>誰だって、自分が正しい。
例えば、そんな想いは、検索窓に打ち込んで、
答を確かめられるようなものではない。
不確かな想いは、宙吊りで、結論に至らないままに、
関心を寄せ続ける者とともにある。

検索して答が見つかるようなものごとは、
乱暴に言えば、考えるには及ばない。
どこかに正解があるなら、それを憶えればいい。
答を知っているなのら、考える必要はない。
では、考えない人、というのは、
どこかに正解があって、それを憶えればいい、
そう思っている人である。

考えて答を出しても、それが正しいかどうかさえ、
確かめようがないようなことを考える。
そんなのって、なんて無駄な時間だろう。
なんて役に立たない思考だろう。
機会費用を考慮するなら、
僕は、利益を取り損ねている。
損得を価値判断の基準に置く人なら、

僕の無益な思考を蔑視するだろう。



    200208e.jpg

正解は教えてくれないけれど、例えば、
西田幾多郎や、V.E.フランクルや、F.W.ニーチェは、
考え方を教えてくれる。
しかし、僕には、そして、今を生きる僕たちには、
もちろん、そのままでは使えない。
西田幾多郎が考えたことは、
西田幾多郎について、である。

西田幾多郎と、その時代の世の中について、である。
西田幾多郎は、僕のことや、僕と世の中のことを、
考えてくれたわけではない。
西田幾多郎が考えたことは、
僕にしてみれば、他人が考えたことを憶える知識であり、
僕にとっては、まだ哲学には至らない。
哲学なら、僕が考えなきゃならないから。

表示された、検索候補に抗って。



    200208f.jpg

    

    ちっぽけなことで悩んでる 周りの人は笑うけど
    笑いもせず ただ 見せてくれる 走り方 ヒーローが教えてくれる

    ―― 明日も/SHISHAMO
    ―― 宮崎朝子 作詞作曲、2017、Good Creators Record



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月20日 00:00 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8

誰だって、自分が正しい 21/xx


>書きたい人にとっては、
>書く、というのは、正しい。
>根拠を要さずに、正しい。

生きたい人にとっては、
生きる、というのは、正しい。
根拠を要さずに、正しい。



    200208b.jpg

>書く自分は、後からできればいい。
>自分が書くほうが先である。
>まず書かなきゃ、書く自分にはなれない。

働く自分は、後からできればいい。
自分が働くほうが先である。
まず働かなきゃ、働く自分にはなれない。



    200208d.jpg

>書く、ってほうが根本的である。
>書く、なんて行為は、
>書こうと思っても書けるものではなく、

考える、ってほうが根本的である。
考える、なんて行為は、
考えようと思っても考えられるものではなく、



    200208c.jpg

>逆に、書かないでいようと思っても、
>ついつい書いてしまうものであり、
>そのとき、なぜ書くのか、なんてのは、

逆に、学ばないでいようと思っても、
ついつい学んでしまうものであり、
そのとき、なぜ学ぶのか、なんてのは、


    200208a.jpg

>ぜんぜん考えなくてもよくて、
>もっぱら書きたいことがあればいい。
>書きたい人にとって、書くことは、

>留保抜きで、根本的に、正しい。



    200208e.jpg

ぜんぜん考えなくてもよくて、
もっぱら生きたいことがあればいい。
生きたい人にとって、生きることは、

留保抜きで、根本的に、正しい。



    200208f.jpg

    

    何故なら 価値は生命に
    従って付いている

    ―― ありあまる富/Goose house
    ―― 椎名林檎 作詞作曲、2009、EMIミュージック・ジャパン



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020年02月19日 00:00 |
  2. 自分らしさ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4