tetsugaku poet

qinggengcai

365日 3/3


こんな時代に、こんな国に生まれて、
こんな人たちに出会ったけれど、
どれもこれも、自分で選んだわけではない。
自分の意志に拘らず、自分に巡ってくる吉凶禍福、
そんな巡り合わせを、運命、と呼んでみる。

運命は偶然で、偶然に意味はなく、運命に意味はない。
こんな時代に、こんな国に生まれて、
こんな人たちに出会うことは無意味であるが、
意味は、自分の行動が、運命に優先するときに生まれる。
それを、自由、と言い換えてもいい。

こんな時代に、こんな国に生まれて、
こんな人たちと関わりながら、
自分の行動で、運命を変えたときに意味ができる。
自分で変えた運命だから、その後の運命を引き受ける。
それを、責任、と言い換えてもいい。

こんな時代にも、こんな国にも、出会った人たちにも、
予め用意されている意味は、どこにも探せない。
すべては、ことごとく無意味である。
人生は無意味であり、人は生きるに値しないけれど、
しかし、あるいは、それゆえに、

自分の行動が、自分の人生の意味を作る。



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    例えば「自由」 例えば「夢」 盾にしてたどんなフレーズも
    効力(ちから)を無くしたんだ 君が放つ稲光に魅せられて

    ―― 365日/Mr.Children
    ―― 桜井和寿 作詞作曲、2010、TOY'S FACTORY



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  1. 2020年04月29日 00:00 |
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365日 2/3


>諸行無常や、色即是空や、反出生主義や、
>利口な人が語る無意味では、
        >人というには意味が少なすぎる。
        >どうしても、人には意味が多すぎる。

すべてが無意味で、生まれてきたのが間違いなら、
世界には、思考する価値のある問いはない。
        もとより、問いを人の問いとして扱えないから、
        どんな答だって無意味だろう。



    200419d.jpg

どんな思考も、知識も、感情も、利口さも、愚かさも、
こんな時代も、こんな国も、厭世観さえも意味がない。
        何もしないで、自分が死ぬのを待てばいい。
        無意味で、すべてを語るなら。

        すべてが、語れない無意味なら。



    

    同じ気持ちでいてくれたらいいな
    針の穴に通すような願いを繋いで

    ―― 365日/Goose house
    ―― 桜井和寿 作詞作曲、2010、TOY'S FACTORY



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  1. 2020年04月28日 00:00 |
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365日 1/3


誤謬でも、幻想の投影でも上等で、
気の迷いでも、お花畑でも結構だ。

臆病よりも、卑怯よりも、
意気地なしよりも余程いい。

諸行無常や、色即是空や、反出生主義や、
利口な人が語る無意味では、

人というには意味が少なすぎる。
どうしても、人には意味が多すぎる。



    200419c.jpg

純朴に、正直に、自分を人らしく、
言葉へ表現しようとすれば、僕なら、

馬鹿でも、勇敢な男に憧れる。



    

    「ひとりきりの方が気楽でいいや」
    そんな臆病な言い逃れは もう終わりにしなくちゃ

    ―― 365日/Mr.Children
    ―― 桜井和寿 作詞作曲、2010、TOY'S FACTORY



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  1. 2020年04月27日 00:00 |
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ラブリー 3/3


>何の意味があるのか、なんて、合理性を問えば、
>合理性がないことはできなくなるけれど、
>僕たちは、合理性がないことで、泣く、笑う。

利口な人なら、意味がないことはしないのかもしれない。
でも、意味がないから、馬鹿でも、自由に、
意味を与えることができたりする。

利口な人なら、どこかに正解があって、
それを憶えればいいのかもしれない。
馬鹿は、頭では憶えられないから、身体で憶えるほかはなく、

自分が動かないと、馬鹿は、何も始まらない。



    200419b.jpg

>恋をすることは、間抜けで、軽率で、愚かしく、
間抜けで、軽率で、愚かしくなきゃ恋愛は始まらない。
利口な人なら、果敢に、馬鹿になってみたほうがいい。

思考する価値のある問いに向き合うのはそれからだ。



    

    とても寒い日に 僕ら手を叩き
    朝が来る光 分かりあってた

    ―― ラブリー/大橋トリオ
    ―― 小沢健二 作詞作曲、1994、東芝EMI



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  1. 2020年04月26日 00:00 |
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ラブリー 2/3


他人に認められて、そして、
他人から認められる自分なら、
        自分でも自分を認めていい、ってのは、
        なんとも、間抜けな関係だ。

>その本質は、言葉を纏(まと)った性欲である。
もしも、言葉を身につけていないのなら、
        恋愛は、ただの間抜けな性欲だ。
        利口な人なら、もちろん、しないほうがいい。

        間抜けな関係なら、それを露呈させないためには、
        幾重にも、不合理な言葉を纏わなければならないから。



    200419.jpg

不合理ゆえに、恋愛は、小説や、映画や、詩や、歌や、
いつだって、膨大な言葉を必要としている。
        恋をすることは、間抜けで、軽率で、愚かしく、
        ラブリーな恋の歌にアクセスするIDと、

        ラブリーな歌詞を解読するための、
        パスワードを得ることである。



    180805.jpg 動画は削除されました

    君と僕とは ドキドキしてるよ
    誰かの待つ歩道を歩いてく

    ―― ラブリー/UA
    ―― 小沢健二 作詞作曲、1994、東芝EMI



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  1. 2020年04月24日 00:00 |
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ラブリー 1/3


>何の意味があるのか、なんて問いは、
>予定通りに用意されている自分を受け取って、
        >予約が入っているいいこと、悪いことを引き取りに行くような、
        >泣くことも、笑うこともない問いである。

展望台はこちら、っていう案内板みたいなものだ。
それがあるから、安心して、いい眺めだね、って言えるような。
        約束通りの景色を眺めて、要領よく感動するのは、
        僕とは違って、利口な人なのだろう。

>まず、予想的に泣いて、先に、事前的に笑ってから、
>なぜ泣いたのか、って合理が回顧的に分かり、
        >なぜ笑ったのか、って合理が事後的に分かる。
        感動、ってのは、そんな順序だ。

        いい眺めだね、なんて言った後で、
        そこが展望台だったことに気づくような。



    161015.jpg

    

    君と僕とは 恋におちなくちゃ
    夜が深く長い時を越え

    ―― ラブリー/大橋トリオ
    ―― 小沢健二 作詞作曲、1994、東芝EMI



行方も知らずに、泣いて、笑って、怒って、憎んで、
恋愛は、 何の意味があるのか、なんて問いからは程遠い。
        少なくとも、他人に誇れるような意味などなくて、
        その本質は、所詮、言葉を纏(まと)った性欲である。

        恋は、間抜けで、軽率で、愚かしく、しかし、
        なんてラブリーな言葉を纏わりつかせるのだろう。



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  1. 2020年04月21日 00:00 |
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Remember me 3/3


    

    ママになってみたいな
    何処か遠くへと 行くのかい

    ―― Remember me/くるり
    ―― 岸田繁 作詞作曲、2013、Speedstar Records



何の意味があるのか、なんて、合理を問えば、
合理性がないことはできなくなるけれど、しかし、
僕たちは、合理性がないことで、泣く、笑う。

まず、予想的に泣いて、先に、事前的に笑ってから、
なぜ泣いたのか、って合理が回顧的に分かり、
なぜ笑ったのか、って合理が事後的に分かる。

先に理由が示されているときに、
予定通りに泣いたり、要領よく笑ったり、
僕たちは、そんな順序では、泣けない、笑えない。

例えば、大人になると、結婚をすると、ママになると、
そのとき、どんな自分になっていて、そこには、
どんないいこと、悪いことが待ち受けているのかは分からない。

しかし、分からないから、泣ける、笑える。



    200414c.jpg

何の意味があるのか、なんて問いは、
予定通りに用意されている自分を受け取って、
予約が入っているいいこと、悪いことを引き取りに行くような、

泣くことも、笑うこともない問いである。



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  1. 2020年04月20日 00:00 |
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Remember me 2/3


    

    いつか教えてよ
    あの時の涙のわけを 笑顔の思い出を

    ―― Remember me/くるり
    ―― 岸田繁 作詞作曲、2013、Speedstar Records



涙も、笑いも、 それらが、
人の涙と、人の笑いなら、それらは、
言葉の限界に触れたときに起こる。

僕たちは、泣いて、笑って生きてきて、
泣かされたから、笑わせてもらえたから、
子どもだって、大人になれた。

有限な僕たちは、泣くことで、笑うことで、
その都度、自分なりの限界に触れてきた。
限界を越えようとして、泣いて、笑って、

僕たちは、少しずつ、自分の可能性を拡げてきた。



    200414b.jpg

僕の中の、思考の枠組みに収められずに、
その事象を、突き放して観るほかがない地点にまで、
追い出されてしまったときに、わけもなく、

人は、泣いたり、笑ったりするから。



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  1. 2020年04月19日 00:00 |
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Remember me 1/3


    

    いつか教えてよ
    あの時の涙のわけを 笑顔の思い出を

    ―― Remember me/くるり
    ―― 岸田繁 作詞作曲、2013、Speedstar Records



いつか、でないと、教えてもらえないのは、
教える側が、わけが分かっていないからである。

まだ、わけが分かっていないから、今は、
急いで、分かったふりをしなくてもいい。



    200414a.jpg

そして、教えられる側にしても、
教えられても、まだ、理解できないからである。

今、無理に、わけが分かったつもりになれば、
教える側も、教えられる側も、

分かったふりをすることだけが上手くなる。
いつか、教えてくれるのは、いつかの自分で、

あの時の自分の涙や、自分の笑顔である。



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  1. 2020年04月18日 00:00 |
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人生は夢だらけ 3/3


    大人になってまで 胸を焦がして
    時めいたり 傷付いたり 慌ててばっかり

>ずっと変わらない感情を育てているから、
>日々、うたかたの、いろんな感情を生み出しても、
>それぞれの、自分の感情を信用できる気がする。



    痛感したいです 近寄れば悲しく
    離れれば楽しく見えてくるでしょう

日々、うたかたの、ばらばらに思える感情も、
それらに駆動された軽率に思える行動も、
なんらかの共通項があり、そこには必ず調和がある。

距離を置いて、遠くから眺めてみたときに、
差し迫った進行形の感情が消え去って、
代りに、なんらかの軌跡が浮かび上がってくる。

ふらふらと行き先がないように見えても、
それらが、自然に、正直に行われたものなら、
動かないどこかを目指して、まっすぐに進んでいる。



    ずっと自然に年を取りたいです
    そう貴方のように居たいです富士山



    200411c.jpg

    

    痛感したいです 近寄れば悲しく
    離れれば楽しく見えてくるでしょう

    ―― 人生は夢だらけ/椎名林檎
    ―― 椎名林檎 作詞作曲、2017、EMI Records Japan



評価の定まった古いものを買ってきても意味はない。
自分で育てて古くさせなきゃ、自分にとって尊くはならない。
売りものにされた古さになんの価値がある?

この世にあって欲しいものとして、

    小さくて 慎ましくて 無くなる瞬間
    大きくて 勇ましくて 動かない永遠

それらは、決して、相反しない。



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  1. 2020年04月16日 00:00 |
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