こんな時代に、こんな国に生まれて、
こんな人たちに出会ったけれど、
どれもこれも、自分で選んだわけではない。
自分の意志に拘らず、自分に巡ってくる吉凶禍福、
そんな巡り合わせを、運命、と呼んでみる。
運命は偶然で、偶然に意味はなく、運命に意味はない。
こんな時代に、こんな国に生まれて、
こんな人たちに出会うことは無意味であるが、
意味は、自分の行動が、運命に優先するときに生まれる。
それを、自由、と言い換えてもいい。
こんな時代に、こんな国に生まれて、
こんな人たちと関わりながら、
自分の行動で、運命を変えたときに意味ができる。
自分で変えた運命だから、その後の運命を引き受ける。
それを、責任、と言い換えてもいい。
こんな時代にも、こんな国にも、出会った人たちにも、
予め用意されている意味は、どこにも探せない。
すべては、ことごとく無意味である。
人生は無意味であり、人は生きるに値しないけれど、
しかし、あるいは、それゆえに、
自分の行動が、自分の人生の意味を作る。

例えば「自由」 例えば「夢」 盾にしてたどんなフレーズも
効力(ちから)を無くしたんだ 君が放つ稲光に魅せられて
―― 365日/Mr.Children
―― 桜井和寿 作詞作曲、2010、TOY'S FACTORY
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月29日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
>諸行無常や、色即是空や、反出生主義や、
>利口な人が語る無意味では、
>人というには意味が少なすぎる。
>どうしても、人には意味が多すぎる。
すべてが無意味で、生まれてきたのが間違いなら、
世界には、思考する価値のある問いはない。
もとより、問いを人の問いとして扱えないから、
どんな答だって無意味だろう。

どんな思考も、知識も、感情も、利口さも、愚かさも、
こんな時代も、こんな国も、厭世観さえも意味がない。
何もしないで、自分が死ぬのを待てばいい。
無意味で、すべてを語るなら。
すべてが、語れない無意味なら。
同じ気持ちでいてくれたらいいな
針の穴に通すような願いを繋いで
―― 365日/Goose house
―― 桜井和寿 作詞作曲、2010、TOY'S FACTORY
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月28日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
誤謬でも、幻想の投影でも上等で、
気の迷いでも、お花畑でも結構だ。
臆病よりも、卑怯よりも、
意気地なしよりも余程いい。
諸行無常や、色即是空や、反出生主義や、
利口な人が語る無意味では、
人というには意味が少なすぎる。
どうしても、人には意味が多すぎる。

純朴に、正直に、自分を人らしく、
言葉へ表現しようとすれば、僕なら、
馬鹿でも、勇敢な男に憧れる。
「ひとりきりの方が気楽でいいや」
そんな臆病な言い逃れは もう終わりにしなくちゃ
―― 365日/Mr.Children
―― 桜井和寿 作詞作曲、2010、TOY'S FACTORY
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月27日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
>何の意味があるのか、なんて、合理性を問えば、
>合理性がないことはできなくなるけれど、
>僕たちは、合理性がないことで、泣く、笑う。
利口な人なら、意味がないことはしないのかもしれない。
でも、意味がないから、馬鹿でも、自由に、
意味を与えることができたりする。
利口な人なら、どこかに正解があって、
それを憶えればいいのかもしれない。
馬鹿は、頭では憶えられないから、身体で憶えるほかはなく、
自分が動かないと、馬鹿は、何も始まらない。

>恋をすることは、間抜けで、軽率で、愚かしく、
間抜けで、軽率で、愚かしくなきゃ恋愛は始まらない。
利口な人なら、果敢に、馬鹿になってみたほうがいい。
思考する価値のある問いに向き合うのはそれからだ。
とても寒い日に 僕ら手を叩き
朝が来る光 分かりあってた
―― ラブリー/大橋トリオ
―― 小沢健二 作詞作曲、1994、東芝EMI
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月26日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:8
>何の意味があるのか、なんて問いは、
>予定通りに用意されている自分を受け取って、
>予約が入っているいいこと、悪いことを引き取りに行くような、
>泣くことも、笑うこともない問いである。
展望台はこちら、っていう案内板みたいなものだ。
それがあるから、安心して、いい眺めだね、って言えるような。
約束通りの景色を眺めて、要領よく感動するのは、
僕とは違って、利口な人なのだろう。
>まず、予想的に泣いて、先に、事前的に笑ってから、
>なぜ泣いたのか、って合理が回顧的に分かり、
>なぜ笑ったのか、って合理が事後的に分かる。
感動、ってのは、そんな順序だ。
いい眺めだね、なんて言った後で、
そこが展望台だったことに気づくような。

君と僕とは 恋におちなくちゃ
夜が深く長い時を越え
―― ラブリー/大橋トリオ
―― 小沢健二 作詞作曲、1994、東芝EMI
行方も知らずに、泣いて、笑って、怒って、憎んで、
恋愛は、 何の意味があるのか、なんて問いからは程遠い。
少なくとも、他人に誇れるような意味などなくて、
その本質は、所詮、言葉を纏(まと)った性欲である。
恋は、間抜けで、軽率で、愚かしく、しかし、
なんてラブリーな言葉を纏わりつかせるのだろう。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月21日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
ママになってみたいな
何処か遠くへと 行くのかい
―― Remember me/くるり
―― 岸田繁 作詞作曲、2013、Speedstar Records
何の意味があるのか、なんて、合理を問えば、
合理性がないことはできなくなるけれど、しかし、
僕たちは、合理性がないことで、泣く、笑う。
まず、予想的に泣いて、先に、事前的に笑ってから、
なぜ泣いたのか、って合理が回顧的に分かり、
なぜ笑ったのか、って合理が事後的に分かる。
先に理由が示されているときに、
予定通りに泣いたり、要領よく笑ったり、
僕たちは、そんな順序では、泣けない、笑えない。
例えば、大人になると、結婚をすると、ママになると、
そのとき、どんな自分になっていて、そこには、
どんないいこと、悪いことが待ち受けているのかは分からない。
しかし、分からないから、泣ける、笑える。

何の意味があるのか、なんて問いは、
予定通りに用意されている自分を受け取って、
予約が入っているいいこと、悪いことを引き取りに行くような、
泣くことも、笑うこともない問いである。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月20日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
いつか教えてよ
あの時の涙のわけを 笑顔の思い出を
―― Remember me/くるり
―― 岸田繁 作詞作曲、2013、Speedstar Records
涙も、笑いも、 それらが、
人の涙と、人の笑いなら、それらは、
言葉の限界に触れたときに起こる。
僕たちは、泣いて、笑って生きてきて、
泣かされたから、笑わせてもらえたから、
子どもだって、大人になれた。
有限な僕たちは、泣くことで、笑うことで、
その都度、自分なりの限界に触れてきた。
限界を越えようとして、泣いて、笑って、
僕たちは、少しずつ、自分の可能性を拡げてきた。

僕の中の、思考の枠組みに収められずに、
その事象を、突き放して観るほかがない地点にまで、
追い出されてしまったときに、わけもなく、
人は、泣いたり、笑ったりするから。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月19日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
いつか教えてよ
あの時の涙のわけを 笑顔の思い出を
―― Remember me/くるり
―― 岸田繁 作詞作曲、2013、Speedstar Records
いつか、でないと、教えてもらえないのは、
教える側が、わけが分かっていないからである。
まだ、わけが分かっていないから、今は、
急いで、分かったふりをしなくてもいい。

そして、教えられる側にしても、
教えられても、まだ、理解できないからである。
今、無理に、わけが分かったつもりになれば、
教える側も、教えられる側も、
分かったふりをすることだけが上手くなる。
いつか、教えてくれるのは、いつかの自分で、
あの時の自分の涙や、自分の笑顔である。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月18日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
大人になってまで 胸を焦がして
時めいたり 傷付いたり 慌ててばっかり
>ずっと変わらない感情を育てているから、
>日々、うたかたの、いろんな感情を生み出しても、
>それぞれの、自分の感情を信用できる気がする。
痛感したいです 近寄れば悲しく
離れれば楽しく見えてくるでしょう
日々、うたかたの、ばらばらに思える感情も、
それらに駆動された軽率に思える行動も、
なんらかの共通項があり、そこには必ず調和がある。
距離を置いて、遠くから眺めてみたときに、
差し迫った進行形の感情が消え去って、
代りに、なんらかの軌跡が浮かび上がってくる。
ふらふらと行き先がないように見えても、
それらが、自然に、正直に行われたものなら、
動かないどこかを目指して、まっすぐに進んでいる。
ずっと自然に年を取りたいです
そう貴方のように居たいです富士山

痛感したいです 近寄れば悲しく
離れれば楽しく見えてくるでしょう
―― 人生は夢だらけ/椎名林檎
―― 椎名林檎 作詞作曲、2017、EMI Records Japan
評価の定まった古いものを買ってきても意味はない。
自分で育てて古くさせなきゃ、自分にとって尊くはならない。
売りものにされた古さになんの価値がある?
この世にあって欲しいものとして、
小さくて 慎ましくて 無くなる瞬間
大きくて 勇ましくて 動かない永遠
それらは、決して、相反しない。
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2020年04月16日 00:00 |
- 音楽
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4