強者に挑む弱者はかっこいい。
ってことは、弱者に挑む強者は、
どうにも、かっこ悪く映ってしまう。
さらに言えば、圧倒的に強い者なら、
弱い者に勝ちを譲るべきである。
強い者は、勝って当たりまえなのだから。
では、弱者は、強者が譲らなければならないように、
勝ってしまう強者に罪悪感を抱かせるように、
自分の弱さを積極的にアピればいい。
例えば、包帯をぐるぐる巻きにして、
足を引きずって、衰弱した顔で土俵に立てば、
相手力士は、がちんこでは取り組めなくなる。
強者なら、強者の責任、responsibility を負う。
どうしようもなく弱い者とは戦えない。
勝ち負けや、損得とは関係がなく、
強者なら、進んでその責任を引き受ける。
離れ離れてもときめくもの 叫ぼう今は幸せと
大切なことは言葉にならない 跳ねる光に溶かして
―― 海の幽霊/米津玄師
―― 米津玄師 作詞作曲、2019、Sony Music Records
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- 2020年06月30日 00:00 |
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>できないから嫌い、なのではなく、
>嫌いだからしない、に転倒させること。
>くだらないことを、つまらないことを、
>している人を馬鹿にする、ということ。
それが習い性になっている人なら、
流行りのものごとがくだらなくなる。
流行り、とは、その定義からして、
多くの人たちが、したことがなく、
行ったことがなく、食べたことがなく、
使ったことがなく、着たことがなかったものごと。
かつて、多くの人たちが、できなくて、
行けなくて、食べられなくて、
使えなくて、着られなかったものごと。
昔から当たりまえにしていることなら、
わざわざ、流行り、なんて言わなくても、
昔も、今も、ずっと流行中である。
嫌いだからしない、行かない、食べない、
嫌いだから使わない、着ない。
それを続けていると、やがて、世の中は、
嫌いなものごとで埋め尽くされるはずだ。
したことも、行ったことも、食べたこともないのに、
使ったことも、着たこともないのに嫌って、
くだらないことを、つまらないことを、
している人を馬鹿にする。
それを続けていると、やがて、世の中は、
馬鹿な人たちで埋め尽くされるはずだ。
くだらねえとつぶやいて 醒めたつらして歩く
いつの日か輝くだろう あふれる熱い涙
―― 今宵の月のように/エレファントカシマシ
―― 宮本浩次 作詞作曲、1997、ポニーキャニオン
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- 2020年06月29日 00:00 |
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>社会が悪いから、自分はこうなった。
>そのとき、悪いのは社会だから、
>社会になんとかさせようとしても、
>なんともならないのが社会である。
今の、社会のあり方を、ざっくり言えば、
自分で選べるのが建て前で、
社会人入試も、転職も、再婚も、転居も、
海外移住だってよくあることで、
生涯、同じ地域で暮らさなくてもいいし、
一生、同じ共同体のメンバーでなくてもいいし、
終身、同じ組織で働くこともなく、
いつだって、何かを学ぶ自由がある。
多様性が尊重され、流動的であって、
決まりきった、確かなものごとはなく、
何もかも、移ろいやすく、不確かであって、
自由と引き換えに、リスクを取ることになり、
強者と弱者は相対的で、常に入れ替わり、
入れ替わるための、機会の平等を求めるが、
しかし、流動性や多様性を嫌う人はいる。
決まりきった、確かなものごとが好きな人はいる。
自らを弱者のままに固定させて、
結果の平等を求めたい人もいるのだろう。
今 呪いにかけられたままふたりで
いくつも嘘をついて 歩いていくのだろうか
―― サンタマリア/米津玄師
―― 米津玄師 作詞作曲、2013、ユニバーサルシグマ
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- 2020年06月28日 00:00 |
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>例えば、ネットが悪い、って分かったとして、
>ネットが原因だと分かったとして、
>そのとき、自分はどうするのかを考えずに、
>ネットの悪口を言い続けるのは正しくない。
例えば、ネット漬けの人は、
たとえ、ネットが悪くて、自分は被害者だとしても、
自分のネット漬けに対して責任がある。
ネットが自分をネット漬けに作り上げたのではない。
自分が自分をネット漬けに作り上げたから、
自分はネット漬けなのである。
自分が自分をネット漬けに作り上げた、そう思えなくても、
他に選択肢がなく、そう思うことを選ばないと、
ネットは、少しも変わることがなくて、
自分は、少しも変えられない。
昏い午後の道端で探しまわった 呪いを解かす
その小さなナイフを 汚れることのない歌を
―― サンタマリア/米津玄師
―― 米津玄師 作詞作曲、2013、ユニバーサルシグマ
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- 2020年06月27日 00:00 |
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例えば、毒親が悪い、ってときには、
毒親のせいにして生きている自分がいて、
しかし、そんな自分にした毒親が悪い以上は、
自分は、毒親の被害者であることに変わりはない。
あるいは、社会が悪い、ってときには、
社会のせいにして生きている自分がいて、
しかし、そんな自分にした社会が悪い以上は、
自分は、社会の弱者であることに変わりはない。
そのとき、もしも、自分が、
毒親のせいにして生きることを欲するのなら、
社会のせいにして生きることを求めるのなら、
それに関しては、まったく問題は生じていない。
自分の望み通りに生きていることについては、
毒親や社会を、悪く言う必要はないと思われる。
自分の望み通りに、被害者として、
望み通りに、弱者として生きればいい。
消えない悲しみも綻びもあなたといれば
「それでよかったね」と笑えるのがどんなに嬉しいか
―― アイネクライネ/米津玄師
―― 米津玄師 作詞作曲、2014、ユニバーサルシグマ
もしも、毒親のせいにして生きている自分を、
自分で、後ろめたく思うのなら、
社会のせいにして生きている自分を、
自分で、恥ずかしく思うのなら、そこには、
自分が望ましくない選択をしていることについて、
誰かを悪く言う必要が生じてくる。
欲してもいない被害者に留まるためには、
求めてもいない弱者を保つためには、
毒親を、恨み続けなければならない。
社会を、憎み続けなければならない。
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- 2020年06月26日 00:00 |
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例えば、ネットが悪い、って分かったとして、
ネットが原因だと分かったとして、
そのとき、自分はどうするのかを考えずに、
ネットの悪口を言い続けるのは正しくない。
あるいは、社会が悪い、って分かったとして、
社会が原因だと分かったとして、
そのとき、自分はどうするのかを考えずに、
社会の悪口を言い続けるのは正しくない。
もしくは、毒親が悪い、って分かったとして、
毒親が原因だと分かったとして、
そのとき、自分はどうするのかを考えずに、
毒親の悪口を言い続けるのは正しくない。
毒親が悪いから、自分はこうなった。
そのとき、悪いのは毒親だから、
毒親になんとかさせようとしても、
なんともならないのが毒親である。
社会が悪いから、自分はこうなった。
そのとき、悪いのは社会だから、
社会になんとかさせようとしても、
なんともならないのが社会である。
ネットが悪いから、自分はこうなった。
そのとき、悪いのはネットだから、
ネットになんとかさせようとしても、
なんともならないのがネットである。
ネットが悪い、社会が悪い、毒親が悪い、
たとえ、それが、どうしようもなく正しいとしても。
産まれてきたその瞬間にあたし
「消えてしまいたい」って泣き喚いたんだ
―― アイネクライネ/米津玄師
―― 米津玄師 作詞作曲、2014、ユニバーサルシグマ
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- 2020年06月25日 00:00 |
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>自らを、学ばせない、働かせない。
>他人とつき合わせない、恋をさせない。
>部屋に閉じ込めて、どこにも行かせない。
外の世界に開かれた窓が、ネットだけのときは、
一方では、ネットに依存しながらも、
他方で、依存対象のネット社会に敵意を抱く。
この両価性に折り合いをつけるのは難しい。
自分が、部屋に閉じ込もったまま、
どこにも行かなくて済むのは、
あるいは、自分を、部屋に閉じ込めたまま、
どこにも行かせなくて済むのは、
大好きなネットのおかげであり、
あるいは、大嫌いなネットのせいである。
どうか未来が こちらに手を振ってほしい
日々の辛さと僕の体が だらしなく帰る場所を探し続けている
―― ハルノヒ/あいみょん
―― あいみょん 作詞作曲、2019、WARNER MUSIC
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- 2020年06月24日 00:00 |
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あれこれと、雑に、決めつけて書いているけれど、
結局は、僕の中にある、引きこもり体質の成分を、
思いつくままに並べているだけであり、
そもそも、僕が持ち得ない感受性なら、
肯定的にも、否定的にも、どのようにも、
僕には扱えないものごとになるから、
現実に引きこもっている当事者にしてみれば、
僕の文章なんて、的外れで、気持ちが通わない、
読むに堪えない書き散らしに思えるだろう。
しかし、引きこもりだから、引きこもりの気持ちが分かる、
というのも、雑な、単純化、画一化であり、
他の引きこもりたちを馬鹿にした話である。
引きこもり、というのは、人によって異なるものであり、
引きこもっている人が、すべて、
同じ引きこもりで括られるわけではない。
逆に、引きこもっていない人を、すべて、
何らかの名辞で括っても、何を認知して、
何を抽象化、普遍化し、何が意味づけられるのだろう。
引きこもりだから、そうでないから、といって、
それぞれが、すべて、何らかの、
同じ意味にまとめられるわけではなく、もとより、
引きこもりか、そうでないかは、対立するものではない。
何に例えよう 君と僕を 踵に残る似た傷を
晴れ間を結えばまだ続く 行こう花も咲かないうちに
―― 馬と鹿/米津玄師
―― 米津玄師 作詞作曲、2019、SME Records
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- 2020年06月23日 00:00 |
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>自らを、学ばせない、働かせない。
>他人とつき合わせない、恋をさせない。
>部屋に閉じ込めて、どこにも行かせない。
奴隷は、奴隷の境遇に慣れ過ぎると、
驚いたことに、互いに、
自分の足を繋いでいる鎖の自慢を始める。
Slaves too familiar with the circumstances,
they begin to boast to one another of the chain
that connects the foot of his surprise.
―― Amiri Baraka
ほら もうこんなにも夕焼け
いつかの灯り思い出すとき 大切に気づくのでしょう
―― ハルノヒ/あいみょん
―― あいみょん 作詞作曲、2019、WARNER MUSIC
環境に慣れ過ぎた、長期高齢の引きこもりは、
鎖に繋がれていない鈍感な人たちを嘲笑し、
そのことに誇りさえ見い出している。
そして、繊細な自分を引きこもらせた、
さまざまな理由を、繰り返し饒舌に語る。
自ら進んで奴隷になり続け、もはや、
自分を自由にさせようとはしない。
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- 2020年06月22日 00:00 |
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>自らを、学ばせない、働かせない。
>他人とつき合わせない、恋をさせない。
>部屋に閉じ込めて、どこにも行かせない。
自分で自由を奪ったくせに、
なぜか、被害者になったつもりになる。
なぜか、加害者を探そうとする。
自分で自由を奪ったくせに、
なぜか、弱者になったつもりになる。
なぜか、他罰的になって、なぜか、
弱者の言うことは、無条件に正しい。
離れ離れてもときめくもの 叫ぼう今は幸せと
大切なことは言葉にならない 跳ねる光に溶かして
―― 海の幽霊/米津玄師
―― 米津玄師 作詞作曲、2019、Sony Music Records
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- 2020年06月20日 00:00 |
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