tetsugaku poet

qinggengcai

塗装生活 56/xx


すでに真夏日になった朝。
エアコンのフィルターと、エアコンの消臭剤を買った。
どちらも、買ってもいいし、買わなくてもいい。
健康で文化的な最低限度の生活を営むのは、

権利ではあるが、義務ではない。
健康で文化的であってもいいし、なくてもいい。



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>自分がしてほしくないことは他者にもしてはいけない。
ここで扱うことのできる反出生主義は、
してほしい、とか、してほしくない、とかの、
気持ちをベースに、反出生主義を唱えるパターンに限定される。

功利主義的に、とか、倫理的に、なんてロジックなら、
してほしいも、してほしくないもないだろう。
ここでは、自分の、生まれてきたくなかった、という気持ちに基づいた、
自分の子どもは、生まれさせられてはいけない、って主張に限られる。

ただし、形而上のロジックを展開する人も、
おそらくは、生まれてきたくなかった、という気持ちがベースにある。
>他人にしてはいけないことは、自分がしてほしいこと。
それは、偽(p ⇒ ¬q)の対偶(q ⇒ ¬p)だった。

他人は生まれてきてはいけない。⇒ 自分は生まれてきてほしい。
それでは、底意地が悪すぎる。



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    げみ



生まれてきたくなかった、生まれさせられたくなかった、
という思いから、反出生主義を採るのなら、
自分の子どもは、自分のコピーみたいなものか。
子どもは、自分の人生をトレースして生きるのか。

それとも、少しでも、自分の子どもが、
生まれてきたくなかった、と思う可能性があるのなら、
―― それは、生まれてきた子どもすべてが持っている可能性だが、
生まれてくるべきではない、というのか。

ひいては、生まれてきた子どもたちの中に、
生まれてくるべきではなかった子どもが混ざっているとでも。



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  1. 2021年07月31日 00:00 |
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塗装生活 55/xx


    人間の権利は、いかなるばあいにおいても
    自然の法に基づかねばならない。
    そして、自然の法と人間の権利、
    そのどちらにも共通する大原則、
    地上のどこにおいても普遍的な原則がある。
    それは、「自分がしてほしくないことは
    他者にもしてはいけない」ということ。
    ―― 寛容論/ヴォルテール 著、
    ―― 斉藤悦則 訳、2016、光文社古典新訳文庫



自分がしてほしくないこと。⇒ 他人にもしてはいけない。
他人にしていいこと。⇒ 自分もしてほしいこと。

脈絡もなく、吉野弘の「I was born」に振って、
脈絡をつけようと、ヴォルテールに戻して、

ここで問題にしたいのは、唐突に、反出生主義、である。
反出生主義なんて、中古車の窓枠を塗ることに、

リソースを傾けている僕が問うことではないけれど、
この思いつきは、思いのほか、きれいに嵌(は)まると思う。

自分が「存在」してほしくないこと。⇒ 他人も「存在」してはいけない。
他人が「存在」していいこと。⇒ 自分も「存在」してほしいこと。



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    げみ



ヴォルテールを、反出生主義につなげるのは、
無理がある、正しくない、間違えていて、愚かだけれど、またしても、

>正しい自分なら、もはや、考えるには及ばない。



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  1. 2021年07月30日 00:00 |
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塗装生活 54/xx


    ―― やっぱり I was born なんだね ――
    父は怪訝そうに僕の顔をのぞきこんだ。僕は繰り返した。
    ―― I was born さ。受身形だよ。
    正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。
    自分の意志ではないんだね ――



英語を持ち出すまでもない。
日本語だって同じこと。

例えば、僕は、本を読む、
本は、僕に読まれる。

読まれる、とは、
読む、の受身形である。

同様に、生まれる、とは、
生む、の受身形である。

日本語だって受動態。
死ぬ、だって本来は、

死なれる、ではないのか。



    そんなことがあってから間もなくのことだったんだよ。
    お母さんがお前を生み落としてすぐに死なれたのは ――。

    ―― I was born/吉野弘詩集
    ―― 小池昌代 編、1952、2019、岩波文庫



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なんて読み方をする人は、
きっと、稀だから、

僕の読み方は間違いでいいけれど、
>正しい自分なら、もはや、

>考えるには及ばない。
>正しくない自分だから、

>正しさについて考える。



    

    正しくありたい あれない寂しさが
    何を育んだでしょう

    ―― まちがいさがし/Goose house
    ―― 米津玄師 作詞作曲、2019、Epic Records Japan



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  1. 2021年07月27日 00:00 |
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塗装生活 53/xx


>命題(p ⇒ q)は、
>自分がしてほしくないことは、他人にもしてはいけない。

命題を真として、
逆も、裏も、対偶も、真偽は一致すると考えて、

偽(p ⇒ ¬q)は、
自分がしてほしくないことを、他人にするのは構わない。

その逆(¬q ⇒ p)は、
他人にしても構わないことは、自分がしてほしくないこと。

裏(¬p ⇒ q)は、
自分がしてほしいことを、他人にしてはいけない。

対偶(q ⇒ ¬p)は、
他人にしてはいけないことは、自分がしてほしいこと。

それらは、自分が他人にするのは構わないとしても、
同じことを、他人が自分にするのは許せないだろう。

裏と対偶に隠されたメッセージが、
意地悪すぎてたじろぐけれど、ともあれ、

自分がする分には、できないことではない。



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    げみ



    

    もしも 君が彼らの言葉に嘆いたとして それは つまらないことだよ
    なみだ流すまでもない筈 何故なら いつも言葉は嘘を孕んでいる

    ―― ありあまる富/Goose house
    ―― 椎名林檎 作詞作曲、2009、EMIミュージック・ジャパン



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  1. 2021年07月26日 00:00 |
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塗装生活 52/xx


>以前には、予め定められた意義を求めていた。
>もしも、正解が用意されているのなら、
>それを上手にトレースすればいい。
>正しい意義に沿って、正しく行動して、
>予定通りに、正しさを受け取ればいい。

>しかし、よりよく生きるためには、
>プリセットされた意義を求めないほうがいい。
>ここでは反対に、行動が人生の意義を作る。
正しい答を知れば知るほど、
人は考えることをやめてしまう。

正しい自分なら、もはや、考えるには及ばない。
正しくない自分だから、正しさについて考える。



    

    正しくありたい あれない寂しさが
    何を育んだでしょう

    ―― まちがいさがし/Goose house
    ―― 米津玄師 作詞作曲、2019、Epic Records Japan



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    げみ



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  1. 2021年07月25日 00:00 |
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塗装生活 51/xx


    人間の権利は、いかなるばあいにおいても
    自然の法に基づかねばならない。
    そして、自然の法と人間の権利、
    そのどちらにも共通する大原則、
    地上のどこにおいても普遍的な原則がある。
    それは、「自分がしてほしくないことは
    他者にもしてはいけない」ということ。
    ―― 寛容論/ヴォルテール 著、
    ―― 斉藤悦則 訳、2016、光文社古典新訳文庫



命題(p ⇒ q)は、
自分がしてほしくないことは、他人にもしてはいけない。

逆(q ⇒ p)は、
他人にしてはいけないことは、自分もしてほしくない。

裏(¬p ⇒ ¬q)は、
自分がしてほしいことは、他人にもしていい。

対偶(¬q ⇒ ¬p)は、
他人にしていいことは、自分もしてほしいこと。

逆も、裏も、対偶も、真偽は一致すると考えて、
他人に微笑んでほしい人なら、

自分はどうする?



    

    すぐスマイルするべきだ
    子供じゃないならね

    ―― スマイル/森七菜
    ―― 渡辺慎 作詞作曲、1996、2020、Sony Music Records



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    げみ



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  1. 2021年07月24日 00:00 |
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塗装生活 50/xx


ドアバイザーに両面テープ。
幅5mm、厚さ0.16mmを5枚重ねた。

こんなのでは、半年もつかどうか。
でも、その時は、その時だから、

その時の自分に任せよう。
僕なら、なんとかしてくれる。

所要時間は、1時間30分。



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    上手にスマイル出来るね
    こんな時は努力が必要さ

    ―― スマイル/森七菜
    ―― 渡辺慎 作詞作曲、1996、2020、Sony Music Records



いつでもスマイル、上手にスマイル、
目的があって、継続しているのなら、

それだって、努力にほかならない。



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  1. 2021年07月23日 00:00 |
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塗装生活 49/xx


チャラチャラしたクルマには、
チャラチャラした人が乗り込んで、
オラオラしたクルマなら、
オラオラした人が乗っていて、

パラリラしたクルマからは、
パラリラした人が降りてくる。
そもそも、クルマに手を入れる人、
ってだけで、利口そうな気がしない。

先入観は良くない、その通りで、
偏見も良くない、ごもっともであるが、
でも、たいていは、先入観の通りだから、
なるほど、偏見もごもっともである。

おおよそ、クルマなんてのは、
きれいにする以外には、
何も手をかけないほうがいいけれど、
それでも、手を加えたいのなら、

進んで馬鹿を引き受けなきゃならない。



    

    「灼けたアスファルトに打った鼓動を
    確かに俺達は聴いたんだ」 Angel

    ―― One Night Carnival/Goose house
    ―― 綾小路翔 作詞作曲、2002、東芝EMI



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    げみ



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  1. 2021年07月21日 00:00 |
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塗装生活 48/xx


    以前には、人生には生きる意義があるのかどうかを
    知ることが問題であった。
    しかし、ここでは反対に、人生には意義がなければないだけ、
    それだけよりよく生きられると思われる。
    ―― シーシュポスの神話/アルベール・カミュ
    ―― 清水徹訳、1969、新潮文庫

以前には、予め定められた意義を求めていた。
もしも、正解が用意されているのなら、
それを上手にトレースすればいい。
正しい意義に沿って、正しく行動して、
予定通りに、正しさを受け取ればいい。

しかし、よりよく生きるためには、
プリセットされた意義を求めないほうがいい。
ここでは反対に、行動が人生の意義を作る。
仕事も、恋愛も、勉強も、自分がやってみる前なら、
自分にとっての意義なんか分かるわけがない。

意義を抜かれた言葉は、飛び交う情報、言語ゲーム。
分かったふりをすることだけが上手くなる。



    

    もしも 君が彼らの言葉に嘆いたとして それは つまらないことだよ
    なみだ流すまでもない筈 何故なら いつも言葉は嘘を孕んでいる

    ―― ありあまる富/Goose house
    ―― 椎名林檎 作詞作曲、2009、EMIミュージック・ジャパン



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    げみ



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  1. 2021年07月20日 00:00 |
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塗装生活 47/xx


人生が苦労して生きるに値するか否か。
カミュは、結論する。
    シーシュポスは幸福なのだ、
    とイメージすべきである。

何回も、岩を山頂に運び、
その岩が頂きから麓(ふもと)に転げ落ちると、
また、何回でも、山頂に運び上げる、
なんてことを、幸福とイメージする。

    以前には、人生には生きる意義があるのかどうかを
    知ることが問題であった。
    しかし、ここでは反対に、人生には意義がなければないだけ、
    それだけよりよく生きられると思われる。
    ―― シーシュポスの神話/アルベール・カミュ
    ―― 清水徹訳、1969、新潮文庫

人生は苦労して生きるに値する。
というよりも、さらに言えば、
苦労しなければ生きるに値しない、
僕なら、そう結論する。



決して捕まえることの出来ない
花火のような光だとしたって
もう一回 もう一回 もう一回 もう一回
僕はこの手を伸ばしたい
―― HANABI/Mr.Children



    

    何回でも ほら何回でも
    積み上げてきたことが武器になる

    ―― 群青/Goose house
    ―― Ayase 作詞作曲、2020、YOASOBI



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    げみ



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  1. 2021年07月19日 00:00 |
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