tetsugaku poet

qinggengcai

いい男、になろう ―― 19/xx


もとより、なろう、ってことは、
まだなれていない、ってことで、
ともすれば、なれていないことに対しての、
書き手の、なれる、って思いを、
行間に横溢させることになる。

まだなれていないなれそうなことは、
そこにある、手が届きそうな高嶺の花。
現実を踏まえた非現実。
つま先立ちの可能性は、
今の自分の立ち位置の確認でもある。

>ここから、いい男、になろう。



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  1. 2023年08月31日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 18/xx


例えば、コロナで休業を余儀なくされた飲食店への補助や、
女性や、高齢者や、障害者を助ける政策に対して、
経営者でも女性でも高齢者でも障害者でもない男性は、
誰からも助けてもらえないのが許せない。

>どちらも、批判する人自身が、
>何らかの負担を強いられたわけではない。
>ただ、自分以外の人が利益を受けているのが不快という感情。
>「他人の得が許せない」人が増えている。

強者男性なら、何につけ、弱者を助ける政策に異議はないだろう。
弱者男性が強者男性を攻撃するのは強者争いだから構わない。
しかし、弱者男性は、助けられて得をしている人たち、
経営者や女性や高齢者や障害者に怒りを向ける。

自分のほうが弱いから助けろ、って理由で弱者争いに参入する。
女性ゆえに弱者、高齢ゆえに弱者、障害ゆえに弱者、ではなくて、
弱者男性ゆえに弱者、なんてのは、なんとも認められる気がしない。
弱さをアピって、哀れを誘って、得をしようと試みるが、

そんな正直な甘えん坊は、どうにも助ける気がしない。



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  1. 2023年08月29日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 17/xx


>自分が悪い男になることよりも、
>誰かがいい男になるのは許せない、
しかし、そもそも、いい男と悪い男は、
公園のシーソーみたいなものではない。
誰かを下げても、自分が上がることはない。

誰かがどこかで悪い男になっても、
自分は良くもならないし、悪くもならないし、
自分が許せても、許せなくても、
誰かがどこかでいい男になるのは止められない。
いい男になるためには、誰の許諾も要しない。

前文と後文は、実は関係のないものごとを、
つないで並べただけのように見える。
後文は、自分とは関係がない好ましい出来事で、
自分が関与できるのは、前文だけであり、
自分が悪い男になることを許容する、

そんな好ましくない姿勢だけである。



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  1. 2023年08月28日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 16/xx


ルサンチマン(仏:ressentiment、
(フランス語発音:[rəsɑ̃timɑ̃]))は、
弱者が敵わない強者に対して内面に抱く、
「憤り・怨恨・憎悪・非難・嫉妬」といった感情。
そこから、弱い自分は「善」であり、
強者は「悪」だという「価値の転倒」のこと。
―― ウィキ/ルサンチマン

    この感情にパラレルに沿ってみるのなら、
    悪い男は「善」い男、いい男は「悪」い男であり、
    悪い男がいい男を攻撃するのは当然である、
    ってことになるのだろう。

    ちなみに、いい男は、いい男であるゆえに、
    悪い男を攻撃することはないけれど、
    もしも、いい男が悪い男を攻撃したなら、
    それは、差別かいじめである。

    ハンナ・アーレントは、著書「全体主義の起源」で、
    勝ち組のユダヤ人に対する憤り・怨恨・憎悪・非難・嫉妬が、
    アウシュビッツにつながって行くありさまを描き出す。
    1994年、80万人が殺害されたルワンダ虐殺の根底には、

    ツチ族に対するフツ族の積年のルサンチマンがある。



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  1. 2023年08月27日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 15/xx


「他人の得が許せない」人々が増加中
心に潜む「苦しみ」を読み解く
―― AERA dot. 2019/10/15
https://dot.asahi.com/articles/-/129115?page=1

今春、定食チェーンの「やよい軒」が、
無料だったご飯のおかわりを
試験的に有料にするというニュースが流れた。
運営会社は、おかわりをしない客から
「不公平だ」という指摘があったと説明した。
夏の参院選でれいわ新選組から車いすの議員2人が当選し、
国会が改修されたというニュースには、
ネット上などで「自己負担でやるべきだ」
「我々の税金を使うな」といった反発がわき起こった。

どちらも、批判する人自身が、
何らかの負担を強いられたわけではない。
ただ、自分以外の人が利益を受けているのが不快という感情。
「他人の得が許せない」人が増えている。



    この感情にパラレルに沿ってみるのなら、
    自分は相変わらずの男でいるけれど、
    誰かがいい男になるのは許せない、
    ってことになるのだろう。



「損をしてでも他人の足を引っ張りたい」
日本人の"底意地の悪さ"が世界で突出している根本原因
―― PRESIDENT Online 2022/03/06
https://president.jp/articles/-/55218?page=2

日本社会が不寛容であることは、
学術的な調査研究でも明らかとなっています。
大阪大学社会経済研究所の西條辰義教授
(現高知工科大学経済
・マネジメント学群特任教授)らの研究によると、
被験者に集団で公共財を作るゲームをしてもらったところ、
日本人は米国人や中国人と比較して
他人の足を引っ張る傾向が強いとの
結果が得られたそうです。

この研究は被験者にゲームをしてもらい、
公共財に投資をすると自分はその利益を得られる一方、
公共財であることから相手にも利益があるという状況を想定し、
被験者がどのような行動を取るのか確かめるというものです。

仮に相手が投資を行わなくても、
自分が投資すれば自分は利益を得られますが、
相手はその投資にタダ乗りしますから、
何もせずに儲かることになります。
こうした状況に遭遇した場合、
被験者の行動は人によって大きく変わります。

相手がタダで利益を得ているといっても
自分も儲かるので投資は行うという人と、
相手がタダ乗りするのは許せないという感覚から、
自分の利益が減っても、
相手の利益をさらに減らそうとする人に分かれるのです。



    この感情にパラレルに沿ってみるのなら、
    自分が悪い男になることよりも、
    誰かがいい男になるのは許せない、
    ってことになるのだろう。

    ダークサイドに闇落ち、ってやつだ。



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  1. 2023年08月26日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 14/xx


実現できそうもないような、いい男は目指せない。
現実性に乏しいでたらめを語る男は、
端的に、いい男とは矛盾するもの。
いい男なら、荒唐無稽な夢は語らない。
いきおい、実現可能な夢を見ることになるけれど、

そんな夢は、いい男とも呼べないくらいにしょぼくなる。



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  1. 2023年08月25日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 13/xx


ともあれ、いい男は楽しいのだろうか。
いい男になろうなんて、わざわざ、
誰に頼まれたわけでもないことを決めて、
自分が決めたいい男を目指して、
そこから外れないように努力して、

それでいい男になれてきたとしても、
その時、自分が楽しくなければ、
もう、いい男になんかならなくてもいいのだろう。
無理してまでならないほうがよくて、
そもそも、なろうとしてなれる程度のいい男なら、

つまらない男になってしまうだけなのかもしれない。



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  1. 2023年08月23日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 12/xx


夕方に、ふらっと銭湯に寄り道をして帰るとか、
うっかり昼寝をしてみるとか、僕はそういうことをやってみたい。
しかし、そんな小さなことでさえ、実現させるのは容易ではない。

何の制約もないから、できることなら、もうすでに、できているのだろう。
こんなに怠惰で、ゆるゆるの、なんの熱量も要らないことにも、
僕は、主題に据えて考え、タスクとして課し、なにやら意気込んでいる。

もうすでに、気を抜くことに対する、取り組み方がおかしい。



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  1. 2023年08月22日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 11/xx


>いい男、にしたって、
>便宜上、仮にそう呼んでみただけで、
>いい男のあり方も、なり方も知らない。

>いい男が分からないのに、
>いい男になろうとするのは、
>そもそもからして滑稽な話だ。

それでも、分からずとも、しっかり考えようとする姿勢、
真面目に答えようとする態度があれば、
だいじょうぶ、きっと、近づける、

という確かめようのない信仰は捨てない。



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  1. 2023年08月20日 00:00 |
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いい男、になろう ―― 10/xx


彼と電話で話したのは、2016年、もう7年も前のこと。
彼に、僕の哲学的な体験を訊かれて、
ある日、人にとって言葉がどういうものかを思い知ったとき、
目の前の景色が嘘になって、表層が剥がれ落ちるのが見えた、
なんて答えたら、そんな体験がある人は強い、って笑ってくれた。
その日以来、僕の景色は少し他人行儀で、今でもどこか嘘くさい。

憧れる人の話になって、大江千里の話を聞いてもらった。
大江は47歳で、それまでのキャリアを捨て、
ジャズピアノを学ぶために単身ニューヨークに渡る。
40人近い同期は、みんな20歳前後の精鋭ばかりで、
いくら練習しても大江は仲間に追いつけない。
ピアノを弾きすぎて、肩から腕、指まで動かなくなった頃もあった。

ほとんど日本には帰らずに、4年で卒業に辿り着き、
2012年、個人レーベルを立ち上げて起業する。
1年がかりで永住権を取得し、ライブを重ね、コンサートも実現した。
大江ほどの苦労はできないけれど、
僕も起業すると決めていて、大江は僕の希望だと彼に話したら、
大江千里をロールモデルに不動産で起業する、

そんな発想ができる人ならやれるかも、って笑ってくれた。



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  1. 2023年08月19日 00:00 |
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