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qinggengcai

無何有の郷、藐孤射の山 6/x


いつからそうなったのか、
自然の対義語は人為、らしい。
二項対立は、一方が他方を支配し、
他方に対して高位を占める。
        自然と人とを対立させれば、
        自然が、支配的で、優位で、
        人は、従属的で、劣位になる。
        ふつうはそう考える。
そんな対立を、
最初から持ち合わせない知性が、
荘子の無為自然だが、
それは、さておき、
        地球にやさしい、ってのは、
        謙虚に見せかけた傲慢で、
        自然と人を対立させたまま、
        地位を逆転させている。

微弱なノイズを解析しよう。
やさしい、ってのは、
優位か、あるいは、
少なくとも、対等のことだ。
        従属的で、劣位な者から、
        支配的で、優位な者に対しては、
        用いる言葉ではない。
        ふつうはそう考える。

        地球にやさしい、
        なるほど、ずいぶん偉くなったものだ。



    

    もしも 君が彼らの言葉に嘆いたとして
    それは つまらないことだよ
    なみだ流すまでもない筈
    何故なら いつも言葉は嘘を孕んでいる



    ―― ありあまる富/椎名林檎
    ―― 作詞、作曲、椎名林檎、
    ―― 2009、EMIミュージック・ジャパン



テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2017年10月29日 22:14 |
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