いつからそうなったのか、
自然の対義語は人為、らしい。
二項対立は、一方が他方を支配し、
他方に対して高位を占める。
自然と人とを対立させれば、
自然が、支配的で、優位で、
人は、従属的で、劣位になる。
ふつうはそう考える。
そんな対立を、
最初から持ち合わせない知性が、
荘子の無為自然だが、
それは、さておき、
地球にやさしい、ってのは、
謙虚に見せかけた傲慢で、
自然と人を対立させたまま、
地位を逆転させている。
微弱なノイズを解析しよう。
やさしい、ってのは、
優位か、あるいは、
少なくとも、対等のことだ。
従属的で、劣位な者から、
支配的で、優位な者に対しては、
用いる言葉ではない。
ふつうはそう考える。
地球にやさしい、
なるほど、ずいぶん偉くなったものだ。
もしも 君が彼らの言葉に嘆いたとして
それは つまらないことだよ
なみだ流すまでもない筈
何故なら いつも言葉は嘘を孕んでいる
―― ありあまる富/椎名林檎
―― 作詞、作曲、椎名林檎、
―― 2009、EMIミュージック・ジャパン
テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2017年10月29日 22:14 |
- 荘子
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